研究課題/領域番号 |
20K07834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大久保 光夫 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (40260781)
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研究分担者 |
荒木 慶彦 日本大学, 医学部, 客員教授 (70250933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 輸血 / CD163 / ヘモグロビン / ヘプシジン / へプシジン / 過誤輸血 / 可溶型CD163 / 異型輸血 / 溶血反応 / 遊離ヘモグロビン / 新治療 |
研究開始時の研究の概要 |
頻回輸血や熱傷、体外循環回路の使用により赤血球は溶血してヘモグロビンが遊離する。遊離ヘモグロビンはハプトグロビンと複合体を形成した後マクロファージ膜上のCD163(ヘモグロビンスカベンジャー)と結合する。このCD163には可溶型アイソフォーム(sCD163)が存在する。sCD163分子にも膜結合型と同様に遊離ヘモグロビンの細胞毒性を抑制する機能があると予想される。これを応用して、生体内のsCD163を増加させるか薬剤として投与することは、溶血処理に役立つ可能性がある。本研究で提示するsCD163の機能仮説の証明は、死亡率17%と言われる「異型不適合輸血事故」に対しても有効な治療手段の開発に結びつくと思われる。
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研究実績の概要 |
遊離ヘモグロビンはハプトグロビンと結合した後,スカベンジャー受容体(以下CD163)を介してマクロファージ内にエンドサイトーシスされる.CD163分子には可溶性分子(以下sCD163)も存在しているが,その量的変動については明らかではない.保存血を輸血することは(意図せずに)少量の遊離ヘモグロビンを輸注することになる.そこで輸血を行った血液疾患,外傷,消化管出血など12病態29検体について輸血前後のsCD163を測定したところ,白血病やリンパ腫で化学療法を受けている患者や固形癌で放射線療法を受けている骨髄抑制状態の患者の検体ではsCD163の前値が対照群(1.38±0.05ng/mL)と比較して低値(0.25±0.19ng/mL)であった.なお,輸血後いったん上昇したsCD163は時間をおいて減少した.次に,患者のマクロファージをサイトスピンにてガラススライドに展開,細胞内に発現するCD163を蛍光抗体で染色して,蛍光顕微鏡で輸血前後の検体を比較観察したところ,マクロファージの細胞毎のCD163の発現量に差は認められなかった.これらの結果から血清中に移行しているsCD163は基本的には単球/マクロファージの数に応じて量が変動していると推定された.また,輸血によって持ち込まれるドナー血清中のsCD163によりいったん増加するが,遊離ヘモグロビン(ハプトグロビンの仲介も当然想定されるが)の処理によって減少すると推定された.したがって,sCD163は骨髄抑制状態にある血液型不適合造血幹細胞移植や血液型不適応輸血事故などの際の治療剤になる可能性がある.今後は,実際にどの程度sCD163分子が遊離ヘモグロビンと結合できるかの解析を行う必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナパンデミックにより全体的に進行が遅れている.また,コントロールとして必要となるハプトグロビン欠乏症または低値の血清を入手するのに難渋している.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は延長した研究の最終年度であり,昨年度実施できなかったsCD163分子と遊離ヘモグロビンの結合率の解析を行う必要がある.治療剤としての利用も考慮するならばsCD163単独でどのぐらい遊離ヘモグロビンと結合するかを検討しなければならない.すでにリコンビナントsCD163は入手出来ていることから,ハプトグロビン欠乏症または低値の血清を準備する必要がある(頻度報告182/5,286人).なお,入手できない場合に備えて,ハプトグロビンを除去する方法などを考慮する.
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