研究課題/領域番号 |
20K07853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
加藤 菜穂 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20457766)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 死体血HbA1c値 / 臨床現場即時検査機器 / ボロン酸アフィニティ法 / 高速液体クロマトグラフィ法 / ラテックス凝集法 / 誤差要因 / 臨床即時検査機器 / 高速液体クロマトグラフィー法 / 誤差 |
研究開始時の研究の概要 |
法医剖検では,生体で有用性が高く評価されている検査法であっても,死後変化や検体長期保存の影響で利用しにくい場合がある. 糖尿病は多臓器に病変を生ずる慢性疾患であるが,未診断者あるいは治療を中断した患者においても糖尿病性昏睡などの合併による急死のリスクがあるため,しばしば法医剖検の対象となる. 本研究では,測定原理の異なる複数のPOCT(臨床現場即時検査)機器で測定された死体血HbA1c値に差異が生じる条件を検討することで,死体血を含めた特異な状況下にある血液からの糖尿病診断に適した測定法や前処理法と限界を明らかにし,法医実務現場でのPOCT活用に寄与することを目的とする.
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研究成果の概要 |
法医取扱事例の糖尿病補助診断に関し,測定原理の異なるHbA1c測定用POCT(臨床現場即時検査)機器の誤差要因や傾向と利用可能性を検討するため,法医剖検例の血液検体及び種々の処置を施したボランティア提供血検体での測定値を,ラテックス凝集(以下LC)法による外注検査値と比較した. ボロン酸アフィニティ法機器は貧血及び一酸化炭素(以下CO)中毒検体で高値を示し,測定光波長の影響が示唆された.LC法機器は貧血及び濃縮血検体で測定エラーを呈した.これら両機器は検体洗浄処置により誤差が解消された.陽イオン交換高速液体クロマトグラフィ法機器は血液性状によらずやや高値を示すほか,重度CO中毒で高値を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HbA1cは死後変化が少なく長期保存後も比較的安定とされ,法医剖検例の糖尿病補助診断に利用されることも多い.糖尿病性昏睡は糖尿病合併症の中でも死因たりうる病態であり,生前診断されていない,または診断されていても血糖コントロールが不良であった可能性を知る手段として,POCT(臨床現場即時検査)機器の利用には意義がある.一方で,生体試料での検査目的に開発されたPOCT機器を法医取扱事例に利用する場合,検査結果の解釈には生体試料との差異を考慮する必要がある.本研究では測定原理の異なるPOCT機器による測定値の特徴や誤差要因を比較検討したことで,法医検体に適した機器や使用法を提案できた.
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