研究課題/領域番号 |
20K07857
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
竹内 啓晃 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (90346560)
|
研究分担者 |
大星 航 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (10636020)
矢野 有佳里 高知大学, 医学部, 特任助教 (30866372)
長沢 光章 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (40538550)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | ヘリコバクターピロリ / 生物学的多様性 / 薬剤耐性菌 / H. pylori flora / ファージ / 血小板 / 血小板凝集成分 / ヘリコバクター・ピロリ / 胃内生物学的多様性創出 / ピロリ菌フローラ / 病態解析 |
研究開始時の研究の概要 |
国民病ともいえるピロリ菌感染であるが、その関連疾患の病態機序は未だ不明な点が実に多い。特に多彩な病態を呈する胃外疾患の発症機序、そして罹患率と有病率の齟齬(地域や個人間)さらには薬剤感受性試験に基づく除菌不成功例の増加など、これまでの研究では十分に説明できない。 そこで、同一患者(胃)から複数株を収集し変異株創出による叢形成(ピロリ菌フローラ)および生物学的多様性を証明し、宿主免疫応答(多彩な病態)への関与を解明する。 特に多様性による異なる薬剤感受性株の混在を明らかにすることは除菌診療上極めて重要であり、新たなガイドライン作成が国内外で動き始めている現状である。
|
研究成果の概要 |
ピロリ菌関連胃外疾患の病態機序や除菌不成功例の増加など未解明である。そこで、薬剤感受性試験を中心に胃内ピロリ菌の生物学的多様性を複数株/1患者で解析した。 42名の分離株(512株)を4剤の薬剤感受性試験を実施した。耐性/感受性株の混在率はCAM12%、AMPC10%、MNZ33%、STFX31%、1剤でも混在していた割合は64%であった。混在率は癌患者群が非癌患者群よりも高値を示した。混在例ではCAM耐性株は前庭部、AMPC耐性株は体部に多く、感染部位で相違を認めた。AMPC高度耐性に寄与する2つのPBP1Aアミノ酸変異を発見した。 ファージ感染はピロリ菌性状に影響し多様性創出に関与していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ピロリ菌の除菌不成功例の増加は医療・社会問題となっている。診療は1株/1患者の検査結果で抗菌薬が選択されるが、本研究で約64%以上に耐性株と感受性の混在患者が存在することを証明した。耐性株の感染部位も薬剤により異なることを示した。すなわち、1株/1患者の検査結果は正確な治療薬選択の情報提供として乏しく、胃内の異なる部位から複数株を検査対象にすることが正確な検査結果(抗菌薬選択)の提供になることを示した。これは、胃内感染ピロリ菌が叢形成し生物学的多様性を創出していることを示し、現状の実施診療(検査・診断法)に改善が必要であることを示唆する極めて学術的・社会的に意義のある成果である。
|