研究課題/領域番号 |
20K07865
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 孝輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90750159)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | パーキンソン病 / αシヌクレイン / ドパミン神経変性 / バイオマーカー / シヌクレイン / 遺伝子解析 / αシヌクレン / 運動障害 / 神経炎症 / ジスキネジア / グリア細胞 / 神経可塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)ではl-dopa製剤の長期投与による合併症が問題となる。代表的合併症のレボドパ誘発性ジスキネジア(LID)はPDの治療期間に相関し、線条体投射神経線維の神経終末の異常によるものと考えられている。近年、その発症にグリア細胞の関与が着目されている。炎症反応を担うグリア細胞は多くの神経伝達受容体を発現し、複数のサイトカインの分泌を介して、神経回路網のシナプス機能を調節する。つまりLIDの発生機序としてl-dopa投与によるグリア細胞の過剰活性化が重要と考えられる。進行期PDにおける神経炎症を介した神経細胞-グリア細胞の関係を解明し、進行期での新たな創薬への展開を目的する。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)の晩期運動合併症であるレボドパ誘発性ジスキネジアの病態を解明する為、まずドパミン神経変性前の前駆期でのドパミン神経細胞の状態を評価した。前駆期のPDモデルマウスの黒質のドパミン神経細胞の遺伝子発現解析を実施した。その結果、ドパミン神経変性の前段階で多くの遺伝子発現が変動することを確認した。これらのなかでPDとの関連が指摘されていない遺伝子Xに関して解析を行った。αシヌクレインフィブリル接種によって黒質のドパミン神経で発現が誘導されることを確認した。更にPD患者の黒質ドパミン神経での発現上昇をも確認した。更にヒトPD患者の生体サンプルでの測定系を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題でこれまでパーキンソン病との関連が指摘されていなかったgene XがPDマウスモデルでドパミン神経変性が起こる前に発現上昇することを見出した。これはPDにおける緩徐進行性のドパミン神経変性の分子機序を解明する足掛かりとなりうる。更に、ドパミン神経変性前に発現上昇するだけでなく、ヒトPD患者の死後脳サンプルでも発現上昇が確認された。これはPDにおける新たなバイオマーカーの開発につながる可能性があり大きな学術的、社会的意義を有する。
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