研究課題/領域番号 |
20K07882
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小池 春樹 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80378174)
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研究分担者 |
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
飯島 正博 名古屋大学, 医学部附属病院, 客員研究者 (40437041)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非全身性血管炎性ニューロパチー / 血管炎 / 顕微鏡的多発血管炎 / 抗好中球細胞質抗体 / 補体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではNSVNの臨床病理像を明らかにするとともに、疾患マーカーとなる抗体の探索や治療反応性の検討などを行う。はじめに、患者レジストリを構築してNSVNの臨床病理像の検討を行う。抗体の探索ではマウスの神経組織と患者血清で特異的に反応する蛋白質の同定を行い、自己抗体が認識する抗原を同定した後、自己抗原の組織内分布を解析する。抗原候補蛋白をマウスに投与することによってNSVNモデルマウスを作成し、病態解析を行う。さらに、NSVNにおけるエクリズマブのにおける有効性と安全性についても検討する。
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研究成果の概要 |
非全身性血管炎性ニューロパチー(NSVN)は既存の血管炎の定義や分類基準に入っていない概念であり、独立した疾患単位とするべきかどうかに関しては定まった見解がない。本研究ではNSVNの臨床病理像を、日常診療の場で鑑別が問題となる顕微鏡的多発血管炎(MPA)と比較することによって全身性血管炎との連続性を明らかにした。腓腹神経生検の検討では、MPAで血管への免疫グロブリンや補体成分の沈着がほとんどみられず、好中球の血管内皮細胞への接着、血管外への遊走および脱顆粒が目立った。一方、NSVNでは好中球に関連した病変を認めず、血管壁への補体成分の沈着が目立ち、MPAとは病態が異なることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NSVNは抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎と並んで血管炎性ニューロパチーをきたす主要な疾患である。末梢神経障害以外の所見に乏しいことから、診断や治療効果の判定が困難であり、治療により原疾患を寛解に導いても神経障害が残存することも多く、早期からの治療介入が必要な疾患である。さらに治療反応性を示すマーカーもないことから、治療方針の確立も困難である。本研究によってNSVNはANCA関連血管炎の代表であるMPAとは病態が異なることが明らかになり、特に血管壁への補体成分の沈着が血管炎を惹起していることから、補体系を抑制する薬剤のような新たな治療法の開発に繋げることが可能となった。
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