研究課題/領域番号 |
20K07884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
葛谷 聡 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30422950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | シナプス小胞蛋白2B / BACE1 / シナプス / アミロイドβ蛋白 / SV2B / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)脳では、早期よりアミロイドβ蛋白(Aβ)によるシナプス障害が生じ、認知機能障害の発症に寄与するが、そのメカニズムには不明な点が多い。本研究の目的は、申請者が先行研究で発見したAβ産生酵素BACE1の新規結合シナプス小胞蛋白であるSV2Bに着目して、ADにおけるシナプス障害を標的とした創薬およびバイオマーカー候補としての妥当性を検証することである。BACE1はSV2Bとともに海馬興奮性プレシナプスに豊富に発現しており、病初期の海馬シナプス不全を標的とした新たなADの疾患修飾薬および発症予測バイオマーカーの創出につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、アルツハイマー病(AD)患者サンプルを用いて病因蛋白Aβの産生酵素BACE1の新規結合シナプス蛋白であるSV2Bが孤発性AD病態に関与するかを検証した。結果、AD剖検脳においてSV2Bは他のシナプス蛋白と比較して早期より有意に減少することを見出した。脳脊髄液においてもSV2Bのフラグメントを検出し、新規ADバイオマーカー候補の可能性を示した(現在、特許出願準備中)。脳in vivoマイクロダイアリシス法を用いて、内因性レベルのマウス海馬間質液AβとsAPPβの測定系を構築し、現在系統維持中のSV2Bノックアウトマウスを用いた海馬へのヒトSV2B遺伝子導入実験の予備実験を遂行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回申請者が着目するSV2Bは、主に興奮性シナプスに発現するシナプス小胞蛋白であり、BACE1とともにADの初期病変部である海馬の興奮性プレシナプスに豊富に局在し、BACE1のAPP切断活性の抑制に関わる可能性がある。SV2Bを標的分子とすることにより、興奮性シナプスにおけるBACE1のAPP切断活性の指標となる新規バイオマーカーの創出や抗シナプスAβ療法の開発につながることが期待される。
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