研究課題/領域番号 |
20K07889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
真崎 勝久 九州大学, 大学病院, 講師 (90612903)
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研究分担者 |
山口 浩雄 九州大学, 大学病院, 特任講師 (00701830)
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
渡邉 充 九州大学, 大学病院, 助教 (30748009)
吉良 潤一 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (40183305)
松瀬 大 九州大学, 医学研究院, 助教 (70596395)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多系統萎縮症 / コネキシン / ギャップ結合 / グリア細胞 / シヌクレイン / オリゴデンドロサイト / アストロサイト / 多発性硬化症 / グリア炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちはオリゴデンドログリアでヒト変異αシヌクレインを発現させることで進行型多発性硬化症および小脳型多系統萎縮症を呈する新たなモデルマウスの開発に成功した。本モデルは小脳性運動失調や運動麻痺が明らかであり、発病や進行も早いことからヒト病態をより反映し、かつ治療法開発に有用である。オリゴデンドログリアにヒト変異αSynが発現すると、脱髄やオリゴデンドロサイト細胞死に先行してarginase-1陽性ミクログリアの顕著な活性化やグリア細胞間情報伝達を担うコネキシン群が広汎に脱落することを見出しており、αSynと脳内恒常性グリアネットワーク破綻という新しい視点から病態解明と新規治療法開発を推進する。
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研究成果の概要 |
多系統萎縮症における脱髄機序を解明するため、ギャップ結合を形成するコネキシン蛋白群に着目した。多系統萎縮症剖検15例を対象とし、リン酸化αシヌクレインの蓄積がみとめられた入力線維におけるコネキシンを免疫染色した。Stage I(早期)、Stage II(中期)、Stage III(末期)に病変を病期分類し、Stage IでCx32がオリゴデンドロサイトの細胞膜から消失し、細胞質内に凝集することを見出した。Cx43はstage Iでのみ発現低下し、stage IIやstage IIIでは発現亢進していた。多系統萎縮症における早期からのコネキシン蛋白の発現異常が脱髄に寄与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多系統萎縮症は未だ原因不明の進行性神経変性疾患であり、病態解明や新規治療法開発が大きく期待されている。今回の研究成果は多系統萎縮症における脱髄や神経細胞脱落の病態を考える上で全く新しい機序を提唱したものであり、実際に多系統萎縮症剖検例で検討したことも大きな成果である。今後はギャップ結合やコネキシンに着目した新規治療法開発を推進する。
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