研究課題/領域番号 |
20K07909
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 山梨大学 (2022) 順天堂大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
上野 祐司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00349002)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脳梗塞 / エクソソーム / 細胞外膜小胞 / マイクログリア / アストロサイト / 機能回復 / グリア瘢痕 / 軸索再生 / 脳虚血 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞後の機能回復を目的とした新規治療法の開発を目指し、軸索再生を阻害するグリア瘢痕の制御を治療ターゲットと設定した。近年、炎症作用を有するM1マイクログリア、A1アストロサイト、抗炎症作用を有するM2マイクログリア、A2アストロサイトとグリア細胞の二極性、そしてエクソソームを介した細胞間連絡が注目されている。脳梗塞後におけるエクソソームを介したグリア細胞間のクロストークを解明し、それを利用してグリア瘢痕の制御、更には軸索再生、機能回復へとつながる分子病態機構を明らかにし、それを応用した治療法の開発と効果を最終目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究目的は軸索再生や機能回復を促すべく脳梗塞慢性期グリア瘢痕を制御するエクソソームを介した分子病態の解明である。虚血負荷後の培養アストロサイトにマイクログリア培地とP2Y1受容体拮抗薬を投与することで、炎症系の遺伝子発現が低下し、MAPK/NF-κB/TNF-α/IL-1βシグナルが抑制されていることを確認した。更にこの培養アストロサイトから放出されたエクソソームを脳梗塞peri-infarct areaに局所投与すると運動機能が改善すること、脳組織において活性化アストロサイトにおけるNF-κBやTNF-αの発現が低下すること、軸索再生マーカーであるpNFHが発現上昇していることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症が脳梗塞慢性期においても依然存在し、グリア瘢痕の形成に重要であることを確認した。マイクログリアがアストロサイトの炎症制御に関与し、炎症が抑制されたグリア瘢痕は軸索再生や機能回復を促進させる環境となりうることがわかった。アストロサイト由来エクソソーム中のmiR-146a-5pが抗炎症作用を有し、グリア瘢痕制御により、脳梗塞後遺症改善を目的とした新規治療薬となる可能性が示された。
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