研究課題/領域番号 |
20K07916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
大森 一郎 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (60836899)
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研究分担者 |
丁 ミンヨン 福井大学, 学術研究院医学系部門, 客員准教授 (10774466)
小坂 浩隆 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (70401966)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大うつ病 / 経頭蓋直流電気刺激 / デフォルトモードネットワーク / デフォルト・モード・ネットワーク / うつ病 / ニューロモデュレーション / 安静時機能的MRI |
研究開始時の研究の概要 |
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)はうつ病の新たな治療法として期待されているが、その効果には患者間でばらつきがあり、また、効果発現まで数週間かかるため、治療転帰を予測するバイオマーカーの確立が必要である。デフォルトモードネットワークの機能的連結の強さは、うつ病の臨床症状と関連することが知られているが、申請者らは、tDCSによるうつ病治療において、デフォルトモードネットワークの機能的連結の強さの変化量と治療転帰が関連するという仮説を立て、これを検証する。臨床的意義のある関連を見出すことができれば、治療感受性のある患者を事前に選択することが可能となり、経頭蓋直流電気刺激の治療成績を大きく改善する。
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研究成果の概要 |
入院中の大うつ病患者に対してtDCSを施行し、その効果と安全性、およびデフォルトモードネットワークの機能的連結の強さが経頭蓋直流電気刺激(tDCS)のうつ病に対する治療効果を予測することが可能かどうかについて検討した。 しかし、適応となる患者を1名しかリクルートできなかった。大うつ病に罹患している対象入院患者1名に対し、tDCSを開始したが、5回目の刺激後に刺激部位の皮膚の疼痛を訴えた。同部位に発赤、腫脹はなく、訴えは速やかに改善したが、精神症状の改善はなく、tCSの継続に対する、同意が撤回された。同日、予定していた刺激を中止。その後、患者は電気けいれん療法を受け、大うつ病は改善し、退院した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大うつ病に対する生物学的な治療法として、薬物療法、電気けいれん療法、反復経頭蓋磁気刺激療法がある。しかし、大うつ病に対する抗うつ薬の有効率は59%に過ぎず、ECTは薬物抵抗性のうつ病に対して有効であるが、全身麻酔下で行う必要があり、また、記憶障害などの特異的な副作用が問題となる。rTMSの効果は抗うつ薬と同等だが、費用対効果に劣り、長期的な効果については根拠に乏しい。つまり、既存のうつ病治療の効果は十分ではない。より効果的で、副作用が少なく、簡便な治療が求められている。tDCSの大うつ病に対する効果と安全性、その作用メカニズムが確認できれば、新たな治療選択になりうると考えられる。
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