研究課題/領域番号 |
20K07917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
岡田 俊 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 部長 (80335249)
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研究分担者 |
森川 真子 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (60783305)
小川 しおり 日本福祉大学, 教育・心理学部, 准教授 (60814150)
魚野 翔太 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 室長 (10766398)
江頭 優佳 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (10793200)
林 小百合 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (40885753)
請園 正敏 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, リサーチフェロー (50787778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 注意欠如・多動症 / 二次障害 / 表情認知 / 視線方向 / 実行機能 / 報酬系 / 時間知覚 / 併存精神疾患 / 前方視的観察研究 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症には、不適切な対人行動、被害念慮、社交不安、回避などの二次障害がしばしば生じることが知られているが、その病理形成メカニズムは明らかでない。本研究課題では、自閉スペクトラム症にしばしば認められる社会認知、特に表情認知のゆがみが病理形成に関与するとの仮説を立て、その検証を行う。知的能力障害がなく、併存精神疾患のない自閉スペクトラム症の児童を、組み入れ時、2年後、4年後の3回にわたり評価し、自閉スペクトラム症のどのような表情認知障害が二次障害に関連するか、精神病理の形成へとつながるのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)の児童・成人では、精神疾患や行動障害の併存率が高く、その一部は適応上の困難の結果、すなわち二次障害としておこるとされるが、その関係は明確にした研究でないのが実情である。我々は、実行機能、報酬系、時間知覚、対人認知といった実験心理テストバッテリーをもちいて認知特性を評価するとともに、臨床表現型(対人反応性、不注意、多動性ー衝動性、不安、抑うつ)について、ASD当事者ならびに比較対照群としての注意欠如・多動症(ADHD)、定型発達の児童・成人を評価を進めている。これまでのデータ蓄積は成人が多く含まれていたが、本研究の目的である二次障害との関係を経時的に評価するためには小児例を多く組み入れることが必要と考えられたことから、国府台病院との連携を行い、自閉スペクトラム症および対照群の組み入れを行った。現在338名(ADHD65名(小児7名)、ASD58名(小児13名)、ASD・ADHD併存82名(小児18名)、定型発達群133名(小児53名))の検査を終了している。現在、認知機能と臨床表現型の精査を進めているが、今年度は定型発達成人における情動的表情と同時提示した反射的共同注意に関する論文を公表することが出来た。結果は、情動的に表情によらず強力な反射的共同注意が認められることが明確になったものであり、視線認知の安定性と効果の多大さを明確にするものであった。さらに後続の複数の論文を投稿中である。今後は、経時的な評価に関するデータ集積も併せて実施すること、また、脳機能イメージングセンターと共同して脳構造画像、脳機能画像も集積しており、これらの認知機能障害と責任脳部位との関係を明らかにすることが出来ればと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
十分な数のデータを順調に取得できている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響も小さくなりつつあり、安定したデータ取得が可能となっている。今後は小児を中心にデータ取得を拡大すると共に、経時データの蓄積にも着手する必要がある。加えて成人例では脳画像を取得して、認知機能障害の背景となる脳部位についてもデータを蓄積していきたい。
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