研究課題/領域番号 |
20K07925
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
有銘 預世布 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80609404)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 統合失調症 / 動物モデル / 認知機能障害 / 前頭前野 / パルブアルブミン陽性抑制性神経 / 抗精神病薬 / 化学遺伝学 / in vivoイメージング / ワーキングメモリ / パルブアルブミン陽性抑制性神経細胞 / ワーキングメモリー / 認知機能 / 神経回路 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症におけるワーキングメモリー障害などの認知機能障害は、未だ神経回路病態が解明されておらず、既存の抗精神病薬を含めて有効な治療法がない。 そこで本研究の目的は、① 臨床用量を反映した抗精神病薬慢性投与下において、統合失調症モデルマウスのワーキングメモリー障害の病態神経回路とその活動動態を同定し、② ①で見出す病態神経回路の活動を操作することにより、認知機能障害に特化した改善手法を探索することである。 以上により、神経回路病態を基盤とした全く新しい治療戦略を提示し、ワーキングメモリー障害を直接治療することによる統合失調症患者の機能的転帰の改善を目指す。
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研究成果の概要 |
統合失調症患者の認知機能障害は、機能的転帰に極めて重要であるにも関わらず治療法が未確立である。また、その神経回路病態の理解も不十分である。本研究ではフェンサイクリジン(PCP)を慢性投与したマウスのワーキングメモリ障害の責任神経回路の候補である、前辺縁皮質2-3層のパルブアルブミン陽性抑制性神経を化学遺伝学的に活性化することでPCP慢性投与マウスのワーキングメモリ障害を改善することに成功した。さらに重要なことに、この改善効果は抗精神病薬の慢性投与下でも発揮されていた。これらの知見は、統合失調症の認知機能障害の改善を目指した新たな治療戦略を提示し、今後の治療薬開発の一助となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症は多くが思春期から青年期に発症する慢性の精神疾患である。患者の機能的転帰に極めて重要であるにも関わらず有効な治療法のないアンメットメディカルニーズである。本研究で得られた成果は、統合失調症における前頭前野のパルブアルブミン陽性抑制性神経と認知機能障害の因果関係を支持する新たな証拠を提供するものである。加えて、前頭前野のパルブアルブミン陽性抑制性神経に対する摂動が抗精神病薬へのadd-on療法としても機能し、統合失調症の認知機能障害を改善することを目的とした創薬に新たな知見を提供する可能性がある。
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