研究課題/領域番号 |
20K07930
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
竹宮 孝子 東京女子医科大学, 看護学部, 非常勤講師 (70297547)
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研究分担者 |
川上 万留実 東京女子医科大学, 医学部, 研究技師 (10867336)
泉 光輔 東京女子医科大学, 医学部, 研究技師 (90867334)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Arcadlin / ストレス / うつ病 / スパイン密度 / シナプス密度 / 慢性的社会的敗北ストレス / 内側前頭前皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
Arcadlin は神経活動の強さに応じて細胞内で発現し、シナプスの樹状突起スパインの密度減少に関わる。一方、うつ病にはスパイン密度の減少があり、そのメカニズム解明は病態解明と治療に発展する可能性がある。 そこで、申請者はうつ病発症の引き金に神経活動の亢進があり、それによりArcadlinが増えスパイン密度の減少を引き起こし、うつ状態の行動変化を引き起こすのではないかと考えた。 本研究は、うつ病を引き起こす慢性ストレスモデルを用い、Arcadlin遺伝子欠損マウスではストレスで神経活動の増加があてもArcadlinは産生されないのでスパイン密度が保たれてうつ症状が出にくいという仮説を立て検証する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究結果から、Arcadlin遺伝子欠損マウスの行動に多動傾向があるだけでなく、ストレス後の不安行動が少ないことが観察されていた。これらの結果や予備実験や国内外の知見から、うつ病のスパイン密度減少にArcadlinが関わる可能性が考えられた。 そこで、本研究は、Arcadlin遺伝子欠損マウスと野生型マウスを用いて、うつ病モデルとなるストレス負荷を一定期間加える過程における体重変化、その後の脳内各部位におけるスパイン密度の変化を調べ、うつ病発症のプロセスおよびうつ病の病態の1つと考えられているスパイン密度の変化にArcadlinが関与するかどうかを調べようとした。 うつ病モデルとなるストレス負荷を一定期間加える過程における体重減少については、野生型マウスに比べてArcadlin遺伝子欠損マウスは減少の程度が少ない傾向が見られた。また、ストレス負荷前後のマウスの脳を用いてスパイン密度を測定するための条件検討や定量方法は完成させることができた。次の段階として、個体数を増やして体重減少の検証を行い、Arcadlin遺伝子欠損マウスと野生型マウスにおいてストレス負荷の有無の群に分けて、スパイン密度の測定をする計画であった。 ところが、研究期間中に動物施設の移転があり飼育環境が大きく変化し繁殖が進まなくなり、さらに研究代表者の職位変更に伴い研究エフォートが低下したことに研究遂行上重要な役割を担い代替不可能な研究分担者の逝去が重なった。本研究で使用予定のArcadlin遺伝子欠損マウスは、元々繁殖が難しく個体数の確保には研究分担者の力が必要であったため、研究の継続が非常に困難となった。その後もできる限り飼育・繁殖のための工夫を行ってきたが、研究期間を延長しても研究を継続して成果を出せる見通しが立たなくなったため、2021年度をもって事業を廃止した。
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