研究課題/領域番号 |
20K07940
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
本田 秀夫 信州大学, 医学部, 教授(特定雇用) (20521298)
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研究分担者 |
篠山 大明 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90447764)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 転帰 / 成人期 / 発生率調査 / 療育 / 支援 / 不登校 / 社会適応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちに対して行われる療育・支援と、成人期における転帰との関連について検討することである。われわれが以前に行った横浜市港北区における1988年から1996年までの出生コホート31,426 名を対象としたASDの累積発生率調査(Honda et al, 2005)で悉皆的に把握されたASD の症例278 名のうち、2017年度から2019年度まで行った成人期の転帰調査で転帰が判明した169名(60.8%)を対象として、早期療育、特別支援教育等による支援の内容と、成人期におけるASD特性および全般的社会適応の転帰との関連について調査する。
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研究成果の概要 |
特定地域の出生コホートを対象とした累積発生率調査(Honda et al., 2005)で特定された自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちを20年にわたり長期追跡し、受けてきた療育や支援と成人期における心理社会転帰との関連を調査し、参加者170名の膨大なデータベースを整理し統計解析を行った。学齢期に不登校の時期があったケースは40名おり、そのうち不登校時に学校以外に居場所がなかった13名は18歳以降も家庭に引きこもるケースが有意に高かった。本人41名に対する調査では、成人期にASDの基準を満たさなくなるケースや、支援の必要性がなくなるケースが存在した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の強みは、特定地域の出生コホートを対象に精度の高いASD累積発生率調査(Honda et al., 2005)で同定されたコミュニティベースのケースを調査対象にしていることと、それを20年の長期に渡り大規模な追跡調査を行っていることである。本調査では、彼らが受けた様々な支援の意義や課題を考察するための膨大な基礎資料が得られた。このデータベースには小児期にうけてきた療育や特別支援教育、診療経過についての情報が含まれ、それらと長期転帰との関連を明らかにすることで、発達期のどの時期にどのような支援を行うことが必要なのかを描出し、ASDに対するより効果的な支援のあり方に寄与することが期待される。
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