研究課題/領域番号 |
20K07954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中村 元昭 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50464532)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 反復経頭蓋磁気刺激 / 発達障害 / 腹側注意回路 / 前頭前野 / 頭部MRI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を用いて発達障害当事者の側頭頭頂接合部(TPJ)を刺激することで腹側注意回路の動態を調整できるかどうかを検討する。第一段階はマルチモーダル・ニューロナビゲーション(MMNN)の技術開発である。これは4種類のMRIの事前情報に基づいて、rTMSの刺激座標、刺激様式、刺激方向を個別に同定する技法である。第二段階として、MMNNに基づいたrTMSを複数回セッション実施して、その前後で注意機能を評価して、MRIデータも縦断的に取得する。これによってTPJへのrTMSによって腹側注意回路の動態が変化するのか、発達障害当事者の注意制御を改善するのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、令和3年度同様に新型コロナウイルスの蔓延が持続しており、国内感染者数も過去最高となり実験を再開することは困難であった。当該研究における実験は被験者との密接の時間が長いため、実験の実施を自主的に控え令和5年度に繰り越すこととした。新規データ取得はできなかったが、学会発表や論文作成作業を実施した。本研究計画と関連のある東北大学との共同研究を論文化して国際誌に受理された(Shinya Nakamura, Yodai Kishimoto, Masaki Sekino, Motoaki Nakamura, Ken-Ichiro Tsutsui. Depression induced by low-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation to ventral medial frontal cortex in monkeys. Experimental Neurology. 2022 Nov 1; 357)。当該論文はニホンサルを対象としたrTMS研究であるが、前頭葉内側面に対する低頻度rTMSによって可逆性の抑うつ状態を誘発したことを示した論文であり、神経科学および臨床医学において有意義な報告である。研究機器の整備に関しては、経皮的耳介迷走神経刺激装置を購入した。この装置によって、自律神経機能と注意機能との関連性を検証することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は、令和3年度同様に新型コロナウイルスの蔓延が持続しており、国内感染者数も過去最高となり実験を再開することは困難であった。当該研究における実験は被験者との密接の時間が長いため、実験の実施を自主的に控え令和5年度に繰り越すこととした。新規データ取得ができなかった分進捗は遅れ気味であるが、学会発表や論文作成作業は行っており、共同研究のデータを論文化して国際誌に受理されたことの意義は大きいと考えている。また、研究倫理書類の延長、研究保険の延長、リクルート体制の充実、研究機器の拡充(前述した経皮的耳介迷走神経刺激装置)など、令和5年度に研究を再開する準備を整えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、感染の状況を注視しつつ、年度前半には実験再開する。同意取得や遠隔でも可能な心理評価に関しては、遠隔ICT技術を活用できる体制を整える。また、研究の本質を損なわない範囲内で、実験時間の短縮化や効率化についても検討する。
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