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リポ多糖の前投与がミクログリアを介した抑うつ症状の発症を抑制するメカニズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K07958
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛

研究代表者

古賀 農人  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 講師 (70744936)

研究分担者 戸田 裕之  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 精神科学, 教授 (00610677)
佐藤 泰司  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生化学, 教授 (10505267)
太田 宏之  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 准教授 (20535190)
木下 学  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (70531391)
中島 正裕  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (70738103)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 完了 (2024年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードリポポリサッカリド / ミクログリア / マウス / リポ多糖 / プレコンディショニング / マイクログリア / エンドトキシン耐性 / アストロサイト / 炎症 / 抑うつ症状
研究開始時の研究の概要

うつ病においては、その生物学的な病態機序が明らかにされていないため、決定的な治療法や薬剤が存在しないのが現状である。近年、うつ病や統合失調症といった精神疾患の病態形成に、異常な炎症の関与が指摘されている。我々のグループが最近行った研究結果から、リポ多糖の事前投与による免疫賦活化を介した抑うつ症状発症抑制効果が示唆された。そこで、本研究では、脳における免疫担当細胞であるミクログリアに着目して、この抑うつ症状発症予防効果について詳細に明らかにし、病態解明とともに、抑うつ症状発症予防や治療に貢献する。

研究成果の概要

中枢神経系の異常な炎症は、うつ病様症状を引き起こす重要な要因であることが指摘されている。本研究では、マウスに低用量のリポ多糖(LPS)を事前投与することで得られる「エンドトキシン耐性」に注目し、この前処理がストレス負荷による行動異常を抑制できるかを検証した。
その結果、LPS事前投与により、神経炎症によって生じる社会的接近行動の低下(興味・関心の減退に相当)が有意に抑制されることが明らかになった。この効果の背景には脳内マクロファージ(ミクログリア)の機能変化が深く関与しており、さらに詳細な解析により、異なる機能を持つ複数のマクロファージサブタイプの存在とその役割分担も判明した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

精神疾患の病態解明や創薬研究では、これまで神経の可塑性に焦点が当てられてきた。しかし近年、多数の先行研究によりグリアが病態解明の鍵となることが示され、グリアの可塑性にも注目されるようになってきている。一方で、うつ病患者の20-30%は抗うつ薬治療に十分な効果が得られない治療抵抗性を示すことから、新たな病態メカニズムの解明が急務である。本研究ではミクログリアに着目し、精神症状の病態モデルマウスを用いて行動異常との関連性を明らかにした。本成果は新たな病態経路の存在を実証し、学術的には神経中心パラダイムを拡張する重要な知見を提供する。社会的には治療抵抗性患者への治療法開発の一助となる研究である。

報告書

(5件)
  • 2024 研究成果報告書 ( PDF )
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 学会発表 (13件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [学会発表] Inhibitory effect of preconditioning with lipopolysaccharide on the onset of anxiety and depressive-like behaviors2023

    • 著者名/発表者名
      Minori Koga, Hiroyuki Toda, Masanori Nagamine, Manabu Kinoshita, Ryuichi Nakagawa, Fumiho Asai, Mayumi Sato, Yumi Mitsui, and Aihide Yoshino
    • 学会等名
      2023 SOBP Annual Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] リポ多糖プレコンディショニングによる精神障害の発症抑制効果にはミクログリアが必要である2023

    • 著者名/発表者名
      古賀 農人、戸田 裕之、中川 隆一、佐藤 真有実、長峯 正典、浅野 孝太朗、中島 弘幸、木下 学、浅井 史穂、茂木 美千子、吉野 相英
    • 学会等名
      第42回 躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 慢性コルチコステロン暴露モデルマウスにおける中枢神経マクロファージの表現型の変化とその由来について2023

    • 著者名/発表者名
      中川 隆一、戸田 裕之、古賀 農人、佐藤 真有実、長峯 正典、浅野 孝太朗、中島 弘幸、木下 学、浅井 史穂、吉野 相英
    • 学会等名
      第42回 躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] PTSD発症におけるミクログリアの関与についての検討2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤 真有実、古賀 農人、中川 隆一、長峯 正典、浅野 孝太朗、浅井 史穂、太田 宏之、戸田 裕之、吉野 相英
    • 学会等名
      第42回 躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] リポ多糖プレコンディショニングが神経炎症由来の精神障害発症を抑制する機序の解明2023

    • 著者名/発表者名
      古賀 農人、戸田 裕之、中川 隆一、佐藤 真有実、長峯 正典、木下 学、 中島 弘幸、 浅井 史穂、茂木 美千子、吉野 相英
    • 学会等名
      第46回 日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 不安症状の病態形成においてマイクログリアは正にも負にも寄与する2022

    • 著者名/発表者名
      古賀農人、戸田裕之、中川隆一、佐藤真有実、長峯正典、浅井史穂、三井由美、吉野相英
    • 学会等名
      第44回日本生物学的精神医学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 不安症状とマイクログリアの状態の関係2022

    • 著者名/発表者名
      古賀農人
    • 学会等名
      第14回日本不安症学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 不安および抑うつ様行動発現に対する抑制効果を示すリポ多糖プレコンディショニングは脳内マクロファージの構成を変化させる2022

    • 著者名/発表者名
      古賀 農人、戸田 裕之、中川 隆一、長峯 正典、中島 弘幸、木下 学、浅井 史穂、佐藤 真有実、松井 茉莉江、三井 由美、吉野 相英
    • 学会等名
      第41回躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 中枢神経系におけるエンドトキシン耐性のメカニズムの解明と炎症由来の精神障害発症予防への応用2021

    • 著者名/発表者名
      古賀農人、戸田裕之、中川隆一、佐藤真有実、前沢友里、長峯正典、浅井史穂、三井由美、吉野相英
    • 学会等名
      第43回 日本生物学的精神医学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 精神障害の病態モデルマウスを用いたマイクログリアの異常と精神障害発症との因果関係解明の検討2021

    • 著者名/発表者名
      古賀農人、戸田裕之、中川隆一、佐藤真有実、長峯正典、浅井史穂、三井由美、吉野相英
    • 学会等名
      第40回躁うつ病の薬理・生化学的研究懇話会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 水素の摂取は神経炎症が引き起こす興味・関心の低下を抑制する2021

    • 著者名/発表者名
      古賀農人、佐藤真有実、徳野慎一、中川隆一、長峯正典、浅井史穂、戸田裕之、吉野相英
    • 学会等名
      第10回分子状水素医学生物学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Lipopolysaccharideプレコンディショニングによる、マウスにおける慢性コルチコステロン暴露で認められる不安様行動、神経炎症の改善2021

    • 著者名/発表者名
      中川隆一、古賀農人、佐藤真有実、戸田裕之、長峰正典、 藤田真敬、吉野相英
    • 学会等名
      第43回 日本生物学的精神医学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] リポポリサッカリドの事前投与は炎症由来の精神症状発症を抑制する2020

    • 著者名/発表者名
      古賀農人、戸田裕之、長峯正典、木下学、浅井史穂、三井由美、吉野相英
    • 学会等名
      第50回日本神経精神薬理学会・第42回日本生物学的精神医学会・ 第4回日本精神薬学会総会・学術集会(NPBPPP 2020 合同年会)
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] うつ病のメカニズムから見た抗うつ薬の作用機序 ~モノアミントランスポーター阻害作用からグリア細胞への影響2022

    • 著者名/発表者名
      古賀農人
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      先端医学社
    • ISBN
      9784865505634
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] CLINICAL NEUROSCIENCE Vol.39 (21年) 06月号 ストレスと神経系. 酸化ストレスとメンタルストレスの関係. 精神疾患の病態解明への期待, p.7402021

    • 著者名/発表者名
      古賀農人
    • 総ページ数
      124
    • 出版者
      中外医学社
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2026-01-16  

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