研究課題/領域番号 |
20K07961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊藤 侯輝 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (40455663)
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研究分担者 |
石川 修平 北海道大学, 大学病院, 助教 (30880091)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 統合失調症 / 覚せい剤モデル / 炎症 / 拘束ストレス / リポ多糖 / 脳内炎症 / 覚醒剤動物モデル / 行動感作 / 精神刺激薬モデル / リポポリサッカライド / マイクログリア / メタンフェタミン / TLR4 / 覚せい剤動物モデル / 免疫・炎症因子 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症患者の末梢血で免疫・炎症因子異常がみられること、脳内細胞の一つであるマイクログリアが過活性になっていることが報告されているが、そのメカニズムはわかっていない。そこで統合失調症の精神刺激薬モデルを免疫・炎症異常の観点から見た場合、脳内の免疫・炎症因子にはどのような異常が起きているのか、その時にマイクログリアの活性がどうなっているのか、同時に末梢血の免疫・炎症因子にはどのような変化があるのかを解明する。これらの異常な状態を把握したのち、免疫・炎症因子とマイクログリア異常を正常化する薬剤を探すことで、これまでにない新たな作用機序をもつ治療薬を模索する。
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研究成果の概要 |
本研究では、炎症反応が統合失調症の症状に与える影響を検証した。今回、統合失調症モデルであるメタンフェタミン(METH)連続投与マウス作成後に一定期間を設け、再度METHを投与して行動感作を誘発し、この行動変容に対する炎症反応の影響を評価した。その結果、リポ多糖(LPS)の投与および拘束ストレス(RS)処置による急性の炎症反応は行動感作を抑制した。また前者はCOX-2阻害薬で、後者は抗TNF-α抗体によって阻害された。これらの結果から、急性の炎症反応は統合失調症の陽性症状の類似反応である行動感作を抑制する一方で、炎症を誘発する方法によって、作用の発現機序が異なる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、統合失調症に対して炎症反応は負の影響を与えることが示されてきたが、本研究により、炎症の強度、曝露期間、炎症の種類によって、その影響が大きく異なる可能性が示された。本研究の結果は今後、炎症反応と統合失調症の関連性を検証していく上で重要な知見であり、炎症反応を標的とした新たな治療法の開発を支援する知見になると考えられる。
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