研究課題/領域番号 |
20K07969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阪上 由香子 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 招へい教員 (90817412)
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研究分担者 |
工藤 喬 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 教授 (10273632)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プロテアソーム / ユビキチン / タウ / Nrf2 / 神経変性疾患 / エポキソマイシン / ラクタシスチン / 小胞体ストレス / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症の多くはミスフォールドした蛋白が蓄積する病態を共通に持つ。ミスフォールドした蛋白を処理する生理的なメカニズムとして小胞体(ER)ストレスを介したunfolded protein response (UPR)がある。認知症の病態はUPRの破綻と理解でき、本研究ではUPRの一つである小胞体関連分解(ER associated degradation: ERAD)に基づいた認知症治療戦略の可能性について検討する。
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研究成果の概要 |
異常なタンパク質が神経細胞内で集まると、プロテアソームの働きが低下し、神経変性疾患の原因となる。プロテアソームの機能を活性化する方法を研究し、「プロテアソーム耐性」という現象を報告した。低用量の阻害剤でプロテアソームを活性化させると、高用量の阻害剤に対して抵抗力を示した。また、転写因子のNrf2がプロテアソームに影響を与え、タウタンパク質の蓄積を減少させることも明らかにした。これらの結果は、Nrf2が「プロテアソーム耐性」の原因であり、神経変性疾患の治療の標的となる可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
異常なタンパク質の凝集はユビキチン・プロテアソームシステムの機能を妨げる。プロテアソームの低下は神経変性疾患に関連し、細胞内で異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞の死につながる。そのため、プロテアソームの活性化は神経変性疾患の治療法として有望と考えられる。私たちの結果は、Nrf2 が「プロテアソーム耐性」を誘導する原因遺伝子の 1 つであることを示している。 この遺伝子の誘導は、神経細胞がプロテアソーム阻害または毒性タンパク質の過剰発現の条件を生き残るための効率的な手段となる。
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