研究課題/領域番号 |
20K07973
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
梶谷 康介 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (10597272)
|
研究分担者 |
松下 智子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (40618071)
土本 利架子 九州大学, キャンパスライフ・健康支援センター, 准教授 (70635474)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | ガレクチン / BDNF / proBDNF / GDNF / 心理テスト / POMS / LSAS / BDI / ELISA / 血清 / ストレス / 唾液 |
研究開始時の研究の概要 |
レクチンタンパクの一種である「ガレクチン」は、生体内において多種多様な機能を持つ。特に中枢神経系においては、炎症性疾患をはじめとする器質的病態との関連が注目されているが、ガレクチンと精神機能の関係を検討した研究は極めて少ない。しかし、研究代表者が行なった統合失調症患者の血中ガレクチン濃度の研究により、ガレクチンが精神疾患と関係する可能性がはじめて示唆された。本研究の目的は、ガレクチンファミリータンパクと心理的ストレスの関連性を解明することであり、本研究によりガレクチンが新規ストレスマーカーとして有用であるかが明らかになる。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、レクチンタンパクの一種であるガレクチンと心理状態の関係を検討することである。本研究の立案時は、学内等で被験者をリクルートする予定であったが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、リクルートができなかった。このため、別の研究で収集した健常者の血清サンプルを二次利用して、ガレクチン-3とBDNF、proBDNF、GDNFの濃度の相関を調べた(N=50, 全て男性)。また心理テスト(LSAS、 ASRS、AQ、BDI、POMS)のスコアとガレクチン-3の濃度の相関を調べた。 1.ガレクチン-3と神経栄養因子との相関: BDNFの濃度はガレクチン-3濃度と負の相関があった( r = -0.284, p = 0.045*)。その他の神経栄養因子とガレクチン-3の濃度に相関は認めなかった(proBDNF; r = 0.173, p = 0.229, GDNF; r = 0.011, p = 0.939)。 2.ガレクチン-3濃度と心理テスト: LSAS(社交不安障害の尺度)、ASRS(ADHDの尺度)、AQJ(自閉スペクトラム症の尺度)、BDI(うつ病尺度)、POMS(気分状態の尺度)、いずれにおてもガレクチン-3との濃度の間に有意な相関を認めなかった。 今回の研究結果より、ガレクチン-3が上記心理テストとの相関を認めることができなかった。今後は、他のタイプのガレクチンでの検討や、健常者だけでなく精神疾患を有する群においても同様の研究をする必要がある。
|