研究課題/領域番号 |
20K07975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
相馬 仁 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (70226702)
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研究分担者 |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
水江 由佳 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20464480)
大橋 美帆子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80843482)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アミロイド / Congo Red / MFG-E8 / 吸収スペクトル解析 / 長波長シフト / 電顕ネガティブ染色法 / ELISA / アミロイドβペプチド / 差スペクトル / バイオマーカー / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病ではアミロイド(老人斑)形成や神経毒性に伴う神経細胞の著しい脱落が特徴である。アミロイド形成を惹起する環境がある本病態では、アミロイドを形成するタンパク質がいろいろと存在すると考えられる。我々はMilk Fat Globular Protein EGF-8(MFG-E8)が新規のアミロイド性タンパク質であることをモデルマウスで見出した。MFG-E8は更に患者血漿にも上昇することから、MFG-E8は血漿バイオマーカーとなりうる。本研究では生化学的、免疫生物学的手法を用いてMFG-E8のアミロイド形成機構、血漿バイオマーカーとしての真正性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病(AD)でアミロイド形成を惹起する環境がある本病態では、Aβの他にもアミロイドを形成するタンパク質の存在が考えられ、当教室でこれまで、分泌タンパク質Milk Fat Globular Protein EGF-8(MFG-E8)が老人斑の中心部分に局在し、その周りをAβが囲むことを認めた。 MFG-E8のアミロイド性はCongoRedのスペクトル変化によって調べた。タンパク質に結合したCongoRedは、タンパク質のアミロイド変化に伴って500nm付近ピークの長波長シフトが起こる。用いたリコンビナントMFG-E8は大腸菌と哺乳類培養細胞で発現した2種類を用意した。大腸菌では細胞内封入体に取込まれ、精製に変性過程を必要とする(rMFG-E8E)。一方、哺乳類培養細胞でリコンビナントMFG-E8(rMFG-E8m)は、細胞から分泌し、変性過程を経ずに精製でき、ネーティブに近いと考えられる。CongoRedスペクトル変化はrMFG-E8mでは、時間経過と共にピークの長波長シフトが観察され、アミロイド形成が進行することが示唆された。電顕でアミロイド繊維様の画像が観察された。しかし、rMFG-E8EのCongoRedスペクトルは最初から長波長シフトが認められ、電顕画像からもそのことが観察された。rMFG-E8Eは精製過程(変性・再生)でアミロイド化がすでに起こっていたと考えられる。 次に、血漿MFG-E8を定量するために、rMFG-E8Eをマウスに免疫し、ELISAの系を確立し、183名のアルツハイマー病患者、51名のレビー小体型認知症、そして対照として420名の健常高齢者血漿でMFG-E8を測定した。その結果、アルツハイマー病患者の中でもApoE4を持つアルツハイマー病患者で、有意に血漿MFG-E8が上昇することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究以外の業務との両立がうまくできなかったため、研究に充てる時間が計画通りにとれなかった。そのため、期待された実験家結果を十分に得られなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に計画していて、できなかった研究を行うと同時に、さらなる発展に向けた研究を推進する。そのうえで、論文をまとめ、学会等で発表の機会を得る。
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