研究課題/領域番号 |
20K07977
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
松岡 孝裕 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90255092)
|
研究分担者 |
松尾 幸治 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00292912)
下出 崇輝 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20870314)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | attention / self-reflection / working memory / event-related changes / alpha-band / EEG / synchronization / desynchronization / 事象関連同期・脱同期 / アルファ波 / ADHD / デフォルトモード・ネットワーク / 自己参照 |
研究開始時の研究の概要 |
脳波に出現するα波は覚醒度によってだけでなく、注意が心の内に向くか外に向くかによっても変動する。この研究では、注意が途中で内に向く自己参照課題と外に向いたままのワーキングメモリー課題を、健常者と注意欠如・多動症(ADHD)患者にしてもらい、その間のα波の時間的な動きを二群間で比較する。健常者では注意が内に向かう時にα波が増え外に向く時には減るとされており、注意の向きが逆になる時のα波の量を調べると両課題間で差がみられるはずである。ところが、ADHD患者では注意の向きががうまく切り替えられず、そのような差がみられないかもしれない。このような違いがADHDの診断的な指標となり得ると考えている。
|
研究実績の概要 |
本研究は注意の方向性による脳機能の違いを、脳波α帯域パワー値の事象関連変動解析により解明することを目的としている。外的注意/内的注意を高める課題としてそれぞれワーキングメモリー/自己参照課題を用いて実験系を構築し、健常群を対象として実験・解析を行い同実験系の確立を試みた。その結果、脳波事象関連α帯域パワー値は、両課題間で注意の向きが逆になる時間帯にワーキングメモリー課題では減衰、自己参照課題では増大しておりその差は統計学的に有意であった。 2020年度は健常群での結果を発表し1)、2021年度は健常群および注意欠如・多動症(Attention deficit hyperactivedisorder: ADHD)を対象とする本実験系による研究計画を立案し、2021年12月に埼玉医科大学病院IRBの承認を得たのち実験環境を整備。2022年度より被験者リクルート・データ収集を進め、2023年度は健常群・ADHD群各5名の中間解析の結果を国内学会に発表した2)。
1) Matsuoka T, Shimode T, Ota T, Matsuo K. Event-Related Alpha-Band Power Changes During Self-reflection and Working Memory Tasks in Healthy Individuals. Front Hum Neurosci. 2021 Jan 25;14:570279. doi: 10.3389/fnhum.2020.570279. 2)清水直樹, 松岡孝裕, 木下雅一、原田 舟, 岡井公志, 上村 永, 松尾幸治.ワーキングメモリー課題/自己参照課題遂行中の脳波α帯域パワー値の事象関連変動について ─健常者とADHD患者における検討─. 第53回日本臨床神経生理学会 福岡, 2023年12月01日.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常群(16名)について実験や解析を行い、ワーキングメモリー課題と自己参照課題とで注意の向きが逆になる時間帯において、事象関連α帯域パワー値が有意に乖離する現象を健常群で確認し実験系を確立できた。2020年度はこの結果を発表し、2021年度は、健常者のみならず注意欠如・多動症(Attention deficit hyperactivedisorder: ADHD)をも対象とする本実験系を用いた研究計画を立案し、2021年12月に埼玉医科大学病院のIRBの承認を得て、実験環境の整備を行った。 2022年度、被験者リクルートを開始するも、脳波計の故障等あり実験環境の回復に時間を要したが、年度途中より被験者リクルートを再開し、2023年度もデータ収集を進め健常群・ADHD群各5名の中間解析結果を国内学会にて発表することができた
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度も引き続き健常群・ADHD群の被験者リクルートを進め、背景情報の聴取、構造化面接、症状評定・検査等を行うとともに脳波実験を施行していき、健常群・ADHD群各15名以上のデータを得て統計解析も実施したうえで、学会発表・論文化へと進めて行く予定である。
|