研究課題/領域番号 |
20K07981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
荒川 亮介 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40350095)
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研究分担者 |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (20213663)
舘野 周 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50297917)
野上 毅 日本医科大学, 医学部, 講師 (30701940)
坂寄 健 日本医科大学, 医学部, 講師 (20569777)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 老年期うつ病 / タウ蛋白 / PET / うつ病 |
研究開始時の研究の概要 |
老年期うつ病患者群と健常者群を対象として、[18F]PM-PBB3を用いたPET検査を行うことで、老年期うつ病の病態生理にタウ蛋白が関与している可能性を検討する。さらに、患者群の中で薬物治療に反応が良好な群と治療抵抗性を示す群とで比較を行い、治療への反応性の差と脳内のタウ蛋白等の器質的な要因との関連を検討する。臨床場面でしばしば問題となる老年期うつ病の治療反応性と脳内タウ蛋白との関連を明らかにして、治療開始時期や治療の選択、薬物の適正使用などの点で新たな治療戦略を提案する。
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研究成果の概要 |
高齢者のうつ病治療においては、通常の薬物療法に反応が乏しいことがしばしば見受けられる。その原因として、アルツハイマー型認知症等の器質性疾患の前駆症状としてのうつ状態、もしくはその合併が考えられる。本研究では、65歳以上の18名のうつ病患者に対して[18F]PM-PBB3を用いたPET測定を行い、大脳皮質のタウ蛋白集積を評価した。多くの症例ではタウ蛋白の集積は認められなかったが、一部の患者では軽度の集積を認めた。また、タウ蛋白集積はPET測定時の認知機能低下と軽度の関連を認めた。高齢うつ病患者群の中でもその脳内のタウ蛋白集積に差があり、その集積が認知機能に影響を与えている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、老年期うつ病とアミロイドβとの関連はPETにおいて数多く検討されているが、老年期うつ病と脳内タウ蛋白との関連を検討したPET研究は数少ない。また、従来のタウ蛋白測定用のPETリガンドの問題点を改良した[18F]PM-PBB3を用いたうつ病の病態研究は報告されていない。老年期うつ病治療においては、通常の薬物療法に反応が乏しいことがしばしば見受けられるが、本研究で示したように老年期うつ病の病態と脳内タウ蛋白との関連を明らかにすることにより、治療開始時期や治療の選択、薬物の適正使用などの点で新たな治療戦略につながると考える。
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