研究課題/領域番号 |
20K07985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 (2022-2023) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター (2020-2021) |
研究代表者 |
松野 仁美 (鈴木仁美) 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (40415302)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 慢性ストレス / うつ病 / 血液脳関門 / 血管透過性 / エクソソーム / 細胞外ベシクル / 血管脳関門 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
近年血液脳関門(Blood brain barrier: BBB)の機能障害仮説が新たなうつ病発症仮説として提唱されている。申請者のグループでは、うつ病患者およびうつ病モデルマウスでBBB機能障害が起きることを明らかにしてきた。しかし、BBB機能変化を検出するためには画像診断や脳脊髄液検査が必要であり、より簡便な検査方法の開発が求められている。本研究ではうつ病モデルマウスを用いて, うつ病発症およびBBB機能障害に伴う脳由来エクソソームの分泌変化、脳由来エクソソームの機能解析を行う。そして脳由来エクソソーム内容物のmiRNA解析を行い、BBB機能障害の血液マーカー候補を探索する。
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研究成果の概要 |
近年の研究から、うつ病の発症には脳内の炎症反応が関わることが示唆されてきた。そして少なくとも一部のうつ病病態には血液脳関門(BBB)の機能低下が関与していることが示されている。本研究課題ではうつモデルマウスから採取したエクソソームのmiRNA解析と機能解析を実施した。うつ病モデルマウス血清由来エクソソームでは血管内皮細胞由来miRNA、血管新生・リモデリング関連遺伝子をターゲットとする複数のmiRNA発現増加が見られた。今後は脳血管内皮細胞由来エクソソームの単離、動態・機能解析、ヒト検体を用いた血液バイオマーカーとしての有用性の検証が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクソソームは脂質二重膜で形成された小胞内にタンパク質、核酸等を含んでおり、比較的安定な状態で放出細胞から遠く離れた標的細胞まで情報を伝達することができ、体液中のエクソソームは様々な疾患バイオマーカーとしての応用が期待されている。本研究はうつモデルマウスを用いて、BBB機能低下を伴ううつ病サブタイプの血液バイオマーカー探索を目的として実施した。血清由来エクソソームの遺伝子解析の結果において、血管新生・リモデリングに関与するmiRNAが抽出されたことは、うつ病病態に血管機能低下が関与しているという仮説を支持するとともに、新規のバイオマーカー開発につながることが期待される。
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