研究課題/領域番号 |
20K07994
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 実 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (00319724)
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研究分担者 |
中村 浩之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30274434)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | BNCT / 肝臓 / 放射線肝障害 / ホウ素中性子捕捉療法 / ホウ素中性子捕捉照射 / 放射線誘発肝障害 / ホウ素中性子捕獲照射 / 類洞閉塞症候群 / α―オートラジオグラフィ / 肝線維化 / 正常細胞分画 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓全体に放射線を一定量以上照射すると、放射線誘発肝障害が発生し人は死亡する。その発生機序に関しては不明なところが多い。臓器は、異なった機能をもつ複数の細胞分画(実質細胞、非実質細胞、血管など)から構成される。放射線を臓器全体に照射すると、全ての細胞分画が均一な放射線を受けることになる。 本研究の目的は、細胞選択照射が可能なホウ素中性子捕捉照射を用いて全肝照射により引き起こされる致死的な晩期有害事象である放射線誘発肝障害の発生機序の引金となる責任細胞分画を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本研究は、肝臓の正常細胞分画をターゲットして選択的に重粒子線照射が可能な、ホウ素中性子捕捉照射(Boron neutron capture radiation, 以下BNCR)を利用して、肝腫瘍に対する放射線治療の有害事象で問題となる放射線誘発肝障害の引き金となる正常細胞分画を探ることを目的としている。 2022年度は、肝実質細胞を認識する糖鎖を結合させたホウ素クラスター‐アルブミン(以下、肝細胞指向‐ホウ素‐アルブミン)と非肝実質細胞を認識する糖鎖を結合させたホウ素クラスター‐アルブミン(以下、非実質細胞指向‐ホウ素‐アルブミン)をマウスに投与後の、各正常細胞分画に選択的に分布しているか否かを明らかにするα‐オートラジオグラフィの実験を実施したが、期待した結果が得られなった。 2022年度の上記の実験の失敗の原因として、肝臓が血流豊富な臓器であることから、血液中に存在するそれぞれのホウ素クラスターアルブミンがバックグラウンドとして存在することから、α-オートラジオグラフィの画像として両クラスターの分布の差異が明らかにならなかったとの仮説を立て、その実証実験を実施した。予備実験としてホウ素化合物であるboronophenylalanine(BPA)を投与後、一定時間をおいてマウス心腔に直接還流液を点滴投与し全身から脱血処置を実施した後に肝臓のホウ素濃度を測定した。その結果脱血前後で約25%のホウ素の濃度が減少するが、肝臓の正常分画に分布したホウ素化合物は還流脱血の処置後も残存することを明らかにした。今後、肝細胞、非肝実質細胞を選択的に認識する新たなホウ素化合物を用い、て実験を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
肝実質細胞、非肝実質細胞に選択的に分布する準備したホウ素化合物が、想定通りに選択的に各正常細胞分画に分布しているかの確認ができず、次の放射線肝障害の差を検証する照射実験に進めることができていない。また、今年度、終盤にコロナに感染し、その後体調不良が継続したことも理由の1つに挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、α‐オートラジオグラフィをホウ素化合物の肝組織内分布を評価する方法として実験きたが、別のイメージング方法としてlaser ablation ICP mass spectrometryを試みることを計画している。 この方法を用いる場合、より高いホウ素濃度が肝組織内に分布していることが望ましいことから、アルブミンにホウ素クラスター、糖鎖を結合させるのではなく、無機ホウ素ナノ粒子に直接糖鎖を結合することによって得られる糖鎖―ホウ素ナノ粒子を使用することを試みる予定であう。この糖鎖―ホウ素ナノ粒子と新規イメージング方法により、肝臓を構成する正常細胞分画に選択的にホウ素化合物が集積していることを明らかにする。
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