研究課題/領域番号 |
20K08039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
林 慎一郎 広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (20238108)
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研究分担者 |
五東 弘昭 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80635235)
小林 毅範 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (10459365)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 医学物理 / ゲル線量計 / ラジオクロミック線量計 / 光学CT / 放射線治療 / 三次元線量分布 / 品質管理 / 品質保証 / ラジオクロミック / 線量分布 / ヨウ素錯体 / 線量評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,放射線治療における3次元線量分布を直接評価するためのツールとして,我々が先の研究で見出した放射線照射によるヨウ素の酸化とそれに伴う錯体形成による発色を利用した新規な機序による3次元ラジオクロミックゲル線量計に対して,より有効な組成探索と最適化を行い,光学的CT装置を用いて3次元線量分布を評価する.これにより放射線治療における品質保証/品質管理の拡充を目指して,その基礎特性評価から線量やエネルギー,読み出し装置(光学的CT)に最適化した3次元ゲル線量計の開発を行い,臨床で用いることの出来る線量評価ツールとして確立することを目的とする.
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き,ポリビニルアルコール(PVA)とヨウ化カリウム(KI),還元剤としてフルクトースを基本組成とするいわゆる”PVA-I”ゲル線量計をもとにして,自動酸化の抑制や繰り返し利用のための初期化の高速化に関していくつかの改良を試みた.特に,水和電子捕捉剤を応用した増感や,組成の再最適化による線量応答安定性の向上(自動酸化の抑制)などを中心にあらためて検討した.また、ホウ酸やアミロースを用いた異なる波長に吸収(発色)をもつヨウ素錯体を利用した系も試作し,その基礎特性を調べた.(これらの結果は2023年度の国際会議(ICRR2023, SSD20等)で報告予定である.) しかし,未だコロナ禍の影響もあり,予定されていた実験および学会発表を充分に行うことができなかったが,上記の基礎的な実験により今後に向けた有望な情報が得られた.これらの結果は国内外の学会にて報告予定であったが,その一部のみ,オンライン開催、および対面開催された幾つかの学会(World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering (IUPESM2022, online, 6/12-17),第124回日本医学物理学会学術大会(9/15-17),日本放射線腫瘍学会第35回学術大会 (11/10-12),および第11回3次元ゲル線量計研究会(12/4))で報告した. 一方,光学CTによる3次元評価も,施設利用の制限から多くは行えなかったが,いくつかの試作したゲル線量計に対して実施し,治療計画との比較方法や較正手法に関して基礎的データが得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により出張や学内外の施設の利用が大幅に制限され,実験やディスカッションが十分実施できなかった.また,光学CTによる3次元評価に関しても,出張制限などにより試料を郵送に頼ることになり,3次元読み取り・解析・評価まで進めなかった.従って総合的に見るとやや遅れていると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発したヨウ素錯体ゲル線量計に関して,組成最適化の他,透明度の向上や作製手順など,まだ改良の余地が多分に残されているので,それらに関する実験を引き続き行う.また,これまでに十分できなかった,より有望な色素の探索も引き続き行う. また,光学CTによる3次元評価に関してもゲル化剤とプローブ波長の最適な組合せや遅れている装置の改良と新規作製、データ読み取り手法,および3次元解析手法の構築を引き行う. 最終的には光学CTに最適化されたゲル線量計を用いて3次元線量分布評価のプロトコルを確立する.
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