研究課題/領域番号 |
20K08058
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大谷 浩樹 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (10259145)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | CTDIvol / DRL / X線CT / 組織吸収線量 / 実効線量 / 電離箱線量計 / 半導体検出器 / 蛍光ガラス線量計 / CTDI / 等価線量 / 診断参考レベル / 被ばく線量 / X線CT装置 / 放射線被ばく / X線CT検査 / 吸収線量 |
研究開始時の研究の概要 |
X線CT検査の線量記録として、CTDIvolなどが装置に表示されるようになっているが、これは撮影条件における線量であって患者個々の被ばく線量ではない。本研究ではCT用電離箱が挿入できる診断参考レベル(DRL)測定用の人体ファントムを用いて線量測定を行い、CTDIvolと比較することで線量評価を実施する。そして、小型の光刺激ルミネセンス線量計を用いた測定値との比較により、患者ごとの線量実測から組織吸収線量を算出する。同時に線量計算シミュレーションを行い高精度に線量推定を可能にする。この成果によりX線CT検査の線量記録への一助となることが期待される。
|
研究成果の概要 |
2020年度、管電圧100 kVでCT照射を行った場合のCTDIvolを算出した。測定には電離箱線量計を用いてファントムの各厚さにて実施し、CTDIvolは両電圧ともにファントム厚が増すごとに減少した。2021年度、ファントム中にX線CT用電離箱を挿入し、ファントム表面に0.6 ml電離箱と半導体検出器を設置し線量測定した。その結果、撮影条件の設定によってCTDIvolは異なった。半導体検出器よりも電離箱を使用した方が校正値は1.0に近づいた。2022年度、頭部ファントムの両眼窩上にガラス線量計を設置し、各基準線での組織吸収線量を測定し、基準線SMラインにおいて約39%線量を低減できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義として、X線CT装置に表示されるCTDIvolと実測値の差は患者の体格によって変化することが示され、管電圧の違いでも変化が現れたことは患者ごとの線量変化において重要なデータとなった。半導体検出器を用いた表面での線量測定は患者ごとのDRLを算出する新たな手法となった。組織吸収線量として水晶体の線量がガラス線量計を用いて算出できたことにより医療被ばく線量算出が患者ごとに簡便に行われることになり、さらに組織加重係数を乗じることで実効線量が求められ被ばく低減の方法として重要なこととなった。このように社会的に関心が高い医療放射線被ばくについて理解を得る一助となったことは社会的意義が大きい。
|