研究課題/領域番号 |
20K08069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高浪 健太郎 東北大学, 大学病院, 講師 (90447160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心筋FDG集積 / 負荷心筋血流シンチ / 心筋虚血 / PET / 心臓核医学検査 |
研究開始時の研究の概要 |
食道癌の病期診断目的にFDG PET施行予定で心臓疾患の既往がなく、インフォームドコンセントが得られた患者50例前後を対象として、FDG PET検査の他に心臓核医学検査、心臓生理学検査を施行する。心筋集積を視覚的、定量的に評価し、心臓核医学検査および心臓生理学検査をゴールドスタンダードとして、FDGの心筋集積と心臓疾患の関連をプロスペクティブに検討し、悪性腫瘍診断目的のFDG PETにおける心臓集積による、心臓疾患のスクリーニングの可能性を検討し、最適な検査プロトコールを確立する。
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研究実績の概要 |
本研究は前向き研究であり、前年度に引き続き症例の蓄積を継続した。2023年3月末で適格基準を満たし、除外基準に該当しない事を確認した早期食道癌症例24例、肺癌症例5例の症例が登録され検査を施行した。各症例は、FDG PET/CT検査の他に、心電図検査、負荷心筋血流シンチを施行した。肺癌症例の2例ではPET撮像機器の不調に伴い対象症例から除外された。結果として、2023年3月末現在のところ、早期食道癌症例24例、肺癌症例3例が検討対象となっている。負荷心筋血流シンチの薬剤負荷時の副作用等の有害事象は特に認めていない。中間解析として、FDG PETで認められた心筋集積パターンと負荷心筋血流シンチにおける虚血性心疾患を示唆する異常集積の相関の解析を行った。以前の報告と比較して心筋FDG集積が認められる頻度が少なかったが、本研究では通常より検査前の絶食時間が長く、心筋の生理的FDG集積の頻度が低かったためと推測された。それにも関わらず、一部の症例に、負荷心筋血流シンチで心筋集積に異常所見が認められた。さらに、それらの症例の一部に、異常な心筋集積に対応するFDG PETでの心筋集積が認められた。中間報告を第146回日本医学放射線学会北日本地方会、第91回日本核医学会北日本地方会で大学院生の八嶋が、「腫瘍診断目的のFDG PETにおける心筋集積と負荷心筋血流SPECT所見の関連」と題して発表し、優秀演題賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力者、大学院生と共同で被験者の募集を行っているが、適格基準を満たす症例は認めるものの、同意を取り付けることが予想以上に難しい傾向が認められ、当初の予定より症例の蓄積が遅延している。本研究では、追加検査として被験者に負荷心筋血流シンチを受けていただく事になっている。しかしながら、前年に続いて、新型コロナウィルス感染の蔓延が断続的に継続し、当該研究者が所属する施設でも感染拡大抑制のため不要・不急の検査の抑制が推奨された。そのため、本研究の適格基準を満たす被験者候補において、追加検査を受けることに躊躇があった可能性や、研究協力者にも被験者の研究への参加をためらる要因になった可能性がある。さらに、県をまたぐ移動が制限されたことにより、予定していた学術集会・研究会等への参加による情報収集、他研究者との討議ができなくなったことにより、研究を進めることに支障があった。一方、当初の計画では研究対象中の有病率が極めて低く、必要症例数が不測することを病院倫理委員会のピアレビューで指摘されたため、研究対象の適応基準に、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満等の冠動脈疾患のリスクファクターを追加した。そのことにより、現在収集されている症例がまだ少数であるにも関わらず、比較対照となる負荷心筋血流シンチにおける心筋異常集積を示した症例が少なからず認められ、研究対象の適格基準を変更したことが功を奏したと考えられ、解析に必要な症例数の抑制が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、対象症例の募集を行う。適格基準を満たし除外基準に該当しない事を確認しインフォームドコンセントが得られた症例を研究対象とする。登録期間は2024年1月までであり、対象は引き続き食道癌また肺癌のステージングでFDG PET/CTが予定され、冠動脈疾患の臨床リスクが高い患者である。本研究のインフォームドコンセントが得られた場合、術前検査として一般的に施行される心電図、心エコー検査に追加して、低侵襲な負荷心筋血流シンチを施行する。研究対象者登録を引き続き、研究協力者の八嶋(当院総合外科)、渡辺(呼吸器外科)が施行する。心臓核医学検査(負荷心筋血流シンチ)を木曽(放射線診断科)、心臓生理学検査の評価を西宮(循環器内科)、FDG PET/CT検査を高浪(研究責任者、放射線診断科)、齊藤美穂子(放射線診断科)が担当する。症例が蓄積された時点で、統計解析を行う。主要評価項目として、負荷心筋血流シンチでの虚血の有無をゴールドスタンダードとした場合の心筋FDG集積パターンによる心筋虚血の診断精度を算出する。副次評価項目として、心筋FDG集積パターンによる心筋虚血のリスク比、絶食時間の影響等を検討する。また、研究の結果を、日本核医学会総会、日本核医学会北日本地方会、欧州核医学会等で発表する予定である。できるだけ現地参加し、同研究分野の他研究者とディスカッションを行い、研究の進展に資する情報を収集する予定である。
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