研究課題/領域番号 |
20K08072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
村田 和俊 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院 治療診断部, 医長 (60644557)
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研究分担者 |
尾池 貴洋 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10643471)
吉本 由哉 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80594390)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 子宮頸癌 / 放射線治療 / 体細胞変異 / 抗腫瘍免疫 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸癌の放射線治療は、良好な局所効果を誇るが、転移の出現により全生存率は低下する。これは全身治療の強化が必要と考える。放射線治療により活性化されたがん特異抗原に対する抗腫瘍免疫が治療効果に影響することが分かり、放射線治療と抗腫瘍免疫の関係を解明することは免疫治療による全身治療の強化が期待される。我々は子宮頸癌放射線治療患者より得られた生検組織・抽出したDNAとホルマリン固定パラフィン包埋試料から抽出したDNAを用いて変異解析を行うことで、解析対象分子を数十種類から数百種類以上に増加させる。その結果、治療感受性に関与する免疫と、それに影響する体細胞変異の関連をはるかに高次的に解明する。
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研究成果の概要 |
根治的放射線治療子宮頸がん患者98人を対象として臨床転帰に関連する腫瘍変異プロファイルを解析した。再発変異は、PIK3CA(35.7%)、ARID1A(25.5%)、NOTCH1(19.4%)、FGFR3(16.3%)、FBXW7(19.4%)、TP53(13.3%)、EP300(12.2%)、FGFR4(10.2%)で観察された。FGFRファミリー遺伝子における変異の有病率は、子宮頸がんのPIK3CAとARID1A有病率とほぼ同じであった。FGFR遺伝子変異陽性患者の5年無増悪生存率は、FGFR遺伝子変異陰性患者よりも有意に不良であった(43.9%対68.5%;P = 0.010)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FGFR遺伝子変異は、根治的放射線治療を受けた子宮頸がん患者の無増悪生存割合の悪化と関連していた。FGFR遺伝子ファミリーの変異を持つ患者グループは慎重な経過観察が必要である。FGFRを標的とした治療と放射線治療を組み合わせた今後の研究が正当化される。また、単施設の遡及的解析による結果のため、結果の検証のためには前向き研究におけるさらなる検証が必要である。
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