研究課題/領域番号 |
20K08076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加茂前 健 名古屋大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (60706282)
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研究分担者 |
櫻井 良憲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (20273534)
笈田 将皇 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 准教授 (10380023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | BNCT / マルチリーフコリメータ / モンテカルロシミュレーション / 中性子計測 / 医学物理学 / 中性子捕捉療法 / ビーム制御 / 患者個別最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
ホウ素中性子補足療法 (Boron Neutron Capture Therapy: BNCT) は,体外から照射する中性子ビームと,腫瘍に集積させたホウ素製剤の核反応を利用し,選択的に腫瘍細胞を死滅させる革新的がん治療法である.しかし症例によって周囲組織の耐用線量が超過し十分な治療が行えない場合や,ホウ素製剤が腫瘍内へ十分に集積しない又は集積に斑が出る場合があり課題である.本研究においては,これらの課題を解決するために,中性子ビーム内の強度を任意に変調するシステムを開発し,患者個別に線量分布の最適化が行えるシステムの確立を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究は、X線治療分野で確立されたマルチリーフコリメータ (MLC) 技術をホウ素中性子補足療法 (BNCT) へ応用し、次世代型BNCT「強度変調BNCT (Intensity Modulated BNCT)」を提案し、その有用性を検討することを目的とした。本研究では、シミュレーションを軸として研究を進め、至適なMLCの探索を行った。MLCの形状や材質、配置に応じ、中性子ビームの振る舞いが大きく変化することが確認され、複数のパターンを組み合わせることによって、中性子束分布に強弱がつけられることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでBNCTは、一様な中性子ビームを患部に照射する方法が主であった。本研究で提案した強度変調BNCTは、患者の解剖学的条件 (腫瘍の形状、大きさ、深さ、部位、周囲正常組織との関係など) や、ホウ素製剤の集積に応じ、MLCの開口形状を変化させビームを積算することで、患者個別に線量分布を向上できる可能性がある新しい技術である。本技術の確立に向けて解決すべき課題はあるが、本技術は最終的にBNCTの治療効果向上と有害事象低減、さらにBNCTの適応拡大に貢献できるものと考えている。
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