研究課題/領域番号 |
20K08080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田中 秀和 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30509782)
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研究分担者 |
椎木 健裕 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30610456)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 放射線治療 / EGFR変異 / 肺癌 / 放射線感受性 / 上皮成長因子受容体 / 非小細胞肺癌 / 体幹部定位放射線治療 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
Ⅳ期肺癌では遺伝子変異/転座の有無に応じ治療方針が決定されるが早期肺癌に対する定位放射線治療(SBRT)では遺伝子異常の有無が考慮されることはない。 肺癌の遺伝子異常として最も頻度の高い(50%強)上皮成長因子受容体(EGFR)は発癌や増殖、転移に関わるとともにDNA修復にも関与しており放射線感受性にも影響すると考えられる。遺伝子異常と放射線感受性の関係を解明することができれば、放射線治療効果のバイオマーカーとして遺伝子異常が利用でき、肺癌に対するSBRTにおいて遺伝子異常の有無による照射方法の最適化につながると考える。本研究では遺伝子異常の有無により放射線治療感受性が異なることを証明する。
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研究成果の概要 |
肺癌定位照射例はイベント発生が少なく全脳照射例にて解析した。EGFR変異陽性例では陰性例に比べ頭蓋内制御率が有意に高かった。in vitroの解析ではEGFR遺伝子変異を有する細胞株3種と変異を有さない細胞株2種に対しコロニー形成試験を行い、変異陽性株は有意にコロニー形成が少なかった。γH2AXを用いてDNA二重鎖切断の評価を行い変異陽性株と陰性株は照射後30分時点ではfoci数に差はなく、24時間時点においては陽性株で有意に多くfociが残存していた。臨床例、in vitroとも変異陽性の方が陰性に比べ放射線感受性が高いという結果であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬物療法は腫瘍の遺伝子情報に応じて治療薬を選択することが当たり前になっている。しかし放射線治療はまだ遺伝子情報により治療内容が選択されることはない。本研究では遺伝子情報により放射線感受性が異なることを明らかにした。この結果をもとに感受性が高い遺伝子変異を有する場合、照射の線量を落とせる可能性がある。それにより有害事象を低減できる可能性がある。さらに今後、遺伝子情報に基づいて放射線治療の照射線量や照射範囲を決定する個別化放射線治療の礎となり得る。
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