研究課題/領域番号 |
20K08094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
安藤 徹 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (50639226)
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研究分担者 |
市川 秀喜 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00248105)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中性子捕捉療法 / ガドリニウム / 頭頸部腫瘍 / キトサン / ナノ粒子 / がん中性子捕捉療法 / 頭頸部がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,再発の頭頸部がんに対して,優れた治療効果を有するホウ素中性子捕捉療法においても治療が困難な巨大化する頭頸部がんに対して,申請者らが開発してきたガドリニウム中性子捕捉療法用製剤であるガドリニウム含有キトサンナノ粒子(Gd-nanoCP)を用いることが可能かを検討する.Gd-nanoCPが担がん動物において,腫瘍組織に蓄積し,治療効果を発揮しうるかを試みる.さらに腫瘍組織内への蓄積とその分布の改善を目指して,粒子径の変化,ゼータ電位の変化,投与方法の変化による影響を明らかにする.
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研究成果の概要 |
頭頸部腫瘍は8~9割が扁平上皮癌で巨大化しやすい.手術,放射線療法,薬物療法の集学的治療にて治療が行われるが,放射線や薬物に抵抗性を持つ症例や局所進行例で切除不能となる.これに対して,ガドリニウム中性子捕捉療法(Gd-NCT)での制御を企図し,検討を行った. 扁平上皮癌細胞株であるSCC-VIIを用いた巨大腫瘍の担がんモデルに対してGd含有キトサンナノ粒子の投与後にGd-NCTを行ったところ,周辺正常組織への副作用が見られない選択的な巨大腫瘍の縮小効果がみられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巨大化する腫瘍に対する治療方法は確立された方法があるものの効果が乏しい場合において,治療やQOLの維持に難渋する場合もある. 本研究ではGd-NCTが巨大腫瘍の腫瘍成長を抑制することを明らかとし,さらに同種の治療法であるホウ素中性子捕捉療法では,効果的であるものの承認薬のステボロニンが正常組織である粘膜組織に集積し,治療後に副作用がみられることが課題となっているのに対し,本研究で用いられたGd含有キトサンナノ粒子は腫瘍組織に対して付着・親和性を示すことで腫瘍組織内に滞留し,副作用がみられなかった.よって本粒子を使用したGd-NCTは,粘膜に近い腫瘍を縮小させる有望な治療選択肢となる可能性を持つ.
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