研究課題/領域番号 |
20K08096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
永津 弘太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, グループリーダー (30531529)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 核医学治療 / アルファ線標的アイソトープ治療 / アクチニウム225 / ラジウム226 / ターゲット / 核反応 / 放射性医薬品 / 放射線治療薬 |
研究開始時の研究の概要 |
標的アイソトープ治療研究において,利用要望が著しく高まっているアルファ線放出核種の一つ,Ac-225(T1/2=10日)の遠隔製造に関するシステム開発,具体的には,Ra-226ターゲットの調製・Ac製造(照射・分離精製)・Ra再生を網羅する,一貫したAc-225製造系の遠隔装置化を計画する。 本研究を通じて,我が国のアルファ線治療研究を支え,また発展させることを目的に,治療用放射性核種の実践的な製造基盤構築を目指す。
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研究成果の概要 |
世界的に注目されているAc-225の製造方法,即ち,①廃棄線源として保管されていたラジウム針からRa-226の単離・回収法,②回収したRa-226をターゲット物質として固定化する技術,③深刻な汚染を避けるための照射装置,④Ac-225とRa-226の分離精製技術,⑤精製Ac-225の品質評価法及び実際の標識効率の確認,及び⑥Ra-226の再生法,それぞれの開発に成功した。 加速器の火災の影響によりAc-225を製造することが出来ず,完全な評価には至らなかったが,上記④⑤処理を遠隔的に行う装置を開発し,基本的な機能の評価を行った。加速器の復帰と共に本開発機の実践利用が望まれる成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果は,世界的に極めて深刻な需要過多・供給不足となっている225Acの自施設製造を可能にする基盤技術を確立したことに等しい。同時に,取扱いや社会的な認識に難しさを持つ放射性廃棄物のひとつ226Raを,医学的に有用な225Acの原料として再生し,225Acの持続的国産化に資する成果として,社会的な意義も有している。 我が国では医療用放射性同位元素の安定供給・利用促進のため,原子力委員会が当該放射性物質の国産化を含めた検討を行うためのアクションプランを2022年5月に発出したが,本研究成果こそ,国の期待に正面から応えられる成果と考える。
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