研究課題/領域番号 |
20K08098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
青木 昌彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (70292141)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 肺癌 / 体幹部定位放射線治療 / dual-energy CT / FDG-PET / DWIBS / 低酸素 / 嫌気性解糖 / 拡散係数 / 限局性肺癌 / 放射線抵抗性 / ブドウ糖代謝 / Dual-energy CT / FDG-PET/CT / 拡散強調画像 / 放射線感受性 / 糖代謝 / 腫瘍血流量 / 定位放射線治療 |
研究開始時の研究の概要 |
水分子の自己拡散を画像化するMRIの拡散強調画像は、がんの細胞密度や活動性を反映することから、前立腺癌等で最近注目されている。拡散係数がその代表的指標として用いられているが、数値のばらつきや画質が不鮮明等の理由により肺癌ではあまり注目されてこなかった。申請者は放射線感受性を左右する腫瘍血流量と腫瘍の悪性度に関連するSUVmaxに着目し、腫瘍血流量低下やブドウ糖代謝の亢進が体幹部定位放射線治療後の局所再発に深く関与していることを肺癌で明らかにした。本研究では、これまでの基盤研究に拡散係数を加えることの意義、及び再発高リスク群の経過観察における拡散強調画像の意義と有用性について肺癌で明らかにする。
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研究成果の概要 |
体幹部定位放射線治療の治療前評価としてdual-energy CTおよびFDG-PETの両方を行った肺癌症例について、低酸素の指標であるヨード密度と悪性度の指標であるSUVmax、細胞密度の指標である水密度とその拡散係数に着目し、予後指標としての有用性を明らかにすることを目的に研究を行った。肺癌299例の解析の結果、ヨード密度とSUVmaxに弱い負の相関、水密度とSUVmaxに中等度の正の相関を認めた。ヨード密度低値は有意な予後不良因子であり、かつSUVmax高値の患者群は全生存率と局所制御率が有意に不良であった。本研究の結果、嫌気性解糖が肺癌定位放射線治療後の再発高リスク群と同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性腫瘍のおよそ8割は好気性環境下においても嫌気性解糖を行っていることが知られており、その様な腫瘍は 腫瘍内の酸素分圧に関係なくブドウ糖代謝が亢進している。ブドウ糖代謝は血流低下や栄養不足等の劣悪な環境にあるがんにとってエネルギーを得るための重要な反応であり、がんの増殖にも重要な役割を果たしている。中でも低酸素下で嫌気性解糖を行っている腫瘍はとりわけ放射線抵抗性かつ悪性度が高いと考えられる。多数例による本研究の結果、dual energy CTとFDG-PETを行うことにより、その様な腫瘍を事前に絞り込むことができ、それらに対する線量増加や分割法の工夫により治療成績の更なる向上が期待できる。
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