研究課題/領域番号 |
20K08105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白神 宜史 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任准教授(常勤) (00560400)
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研究分担者 |
兼田 加珠子 (中島加珠子) 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任准教授(常勤) (00533209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | α線 / 核医学治療 / アスタチン / 211At / targeted alpha therapy / radiotheranostics / amino acids / 核医学 / 放射性医薬品 / アミノ酸 / ペプチド / TAT / アルファ線 / astatine / tyrosine |
研究開始時の研究の概要 |
体に優しいアルファ線を利用して,がんに有効な新しい治療薬を創薬する.アルファ線を放出するアイソトープとしてアスタチン(211At)を用いる.リード化合物としてフェニルアラニンやアルファメチルチロシンなどのアミノ酸から始める.α線核医学治療の利点は,i)非侵襲的で患者に優しい治療法であること,ii)副作用が少ないこと,iii)機序が単純であること等が挙げられる.がん治療は着実に進歩しているが,甲状腺がんの一部には依然として治療の難しいがんがある.また脳腫瘍やすい臓がんの5年生存率は未だに低い(<10%).適切な治療法のないがん患者に対して,新しい機序に基づくα線核医学治療が役に立つと考えている.
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研究成果の概要 |
211At標識アミノ酸誘導体(211At-XAMT)の創薬に成功した。211At-XAMTは、ボロノ基を導入した前駆体(Borono-XAMT)を原料として、温和な条件下で高収率で合成された(>90%)。Xは水酸基又はメトキシ基である(特許出願済:2022年9月)。211At-XAMTは、中性アミノ酸トランスポーター(LAT1)を発現するがん(乳がん、肺がん等)の治療に有用と期待される。特に化学療法に対して治療抵抗性(薬剤耐性)を示すがんに対して一層の治療効果が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた化合物は、腫瘍の治療薬として有用である。本化合物は211Atで標識された放射性医薬品であり、標的α線治療として新規の治療モダリティを提供する。標準治療による治療が奏功しない難治性の腫瘍、特に薬剤耐性の癌患者さんの次の治療ステップへの道を開くものとして期待される。従来、治療用の放射性医薬品は専ら海外からの輸入に頼っているが、世界情勢の変化による供給不安の課題がつきまとう。211Atはサイクロトロンによる製造技術が確立されているので、サイクロトロンを設置すればいつでもどこでも製造できる。日本にはアスタチン創薬の基盤技術が揃っているので、日本発の国産医薬品としての事業化に有利である。
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