研究課題/領域番号 |
20K08115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
島本 直人 (鹿野直人) 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80295435)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中性子捕捉療法 / ホウ素アミノ酸製剤 / 体内動態制御法 / BNCT / BPA / 光学異性体 / ホウ素中性子捕捉療法 / 4-Borono-phenylalanine / アミノ酸エステル |
研究開始時の研究の概要 |
中性子捕捉療法(BNCT: Boron Neutron Capture Therapy)は,がん細胞に集積させたホウ素(10B)化合物に熱中性子を照射し,生じたα線とLi核によりがん細胞選択的に高LET線照射を行う画期的な治療法である。ホウ素化合物は、従来用いられてきた4-borono-L-phenylalanine (BPA)よりも優れた体内分布を示す新規製剤を目指して様々な「分子設計に基づく開発」が行われてきたが、臨床利用は未だ実現できていない。本研究は、新分子の開発に加え従来化合物でも「体内動態制御」という別の新アイデアにより、従来よりも優れた体内分布を得るための基幹技術を開発する。同時に患者個別の製剤分布を定量評価する新しい画像法を確立する。
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研究成果の概要 |
腫瘍のホウ素中性子捕捉療法に用いるホウ素薬剤4-borono-L-phenylalanine (L-BPA)は脳実質も含め他の正常組織にも比較的よく入り、正常組織の被ばくが大きいことがあるなどの欠点がある。株化脳腫瘍細胞(GL261)を移植したヌードマウスに92.5kBq の18F標識L-FBPA、D-FBPA静注後30分に集積したL体D体について体内分布を比較検討した。各臓器での集積はL体の方が高く、腫瘍/正常組織集積比は脳で4.39(L体)、55.52(D体)、筋肉で2.16(L体)、23.15(D体)となりT/N比が優れるD体の腫瘍集積量改善を考慮した開発が期待された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦では2人に1人はがんになり、約34万人が毎年がんで死亡している。D-BPA は腫瘍に強い選択性がある。しかし、D-BPA は、腫瘍に取り込まれる絶対量がL-BPAよりも低いという欠点がある。体内動態制御という新しい考え方に基づき実用化されているL-BPAに匹敵する腫瘍集積をD-BPAでも達成することができれば、正常組織の被ばく線量の低減が可能となる。長年の課題であった10Bの腫瘍への高集積性と腫瘍/正常組織比の改善がD-BPAで実現することによりホウ素中性子捕捉療法の治療効果の改善が期待される。
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