研究課題/領域番号 |
20K08121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
小林 薫 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70388817)
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研究分担者 |
山門 亨一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20263022)
児玉 大志 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20422834)
高木 治行 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30378377)
加古 泰一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40573209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 胃静脈瘤 / BRTO / 門脈大循環短絡 / 塞栓術 / 金属コイル |
研究開始時の研究の概要 |
門脈・大循環短絡を伴う胃静脈瘤に対して、本邦ではバルーンカテーテルを使用して硬化剤(モノエタノールアミンオレイン酸塩)を停滞させ、シャント路を閉鎖させる治療法(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術:BRTO)が行われている。この治療の問題点は、確実な血栓化を得るためにバルーンカテーテルを留置した状態での術後の長時間安静が必要となることである。本研究では、シャント路の塞栓として金属コイル(永久塞栓物質)をすることで、術後安静時間を短くできるのではないかとの仮説を立て、今回の研究を立案した。 本研究の最終目標は、多施設臨床試験を行い、胃静脈瘤のより安全な治療法の確立を目指すことである。
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研究実績の概要 |
門脈・大循環短絡を伴う胃静脈瘤に対して、本邦ではバルーンカテーテルを使用して硬化剤(モノエタノールアミンオレイン酸塩)を停滞させ、シャント路を 閉鎖させる治療法(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術:Balloon occluded retrograde transvenous obliteration, 以下 BRTO)が行われている。胃静脈瘤は肝 硬変が背景にあり、短絡路を閉鎖することで門脈血流が増加し、肝機能の改善が副次的に得られる。この治療の問題点は、確実な血栓化を得るためにバルーンカ テーテルを留置した状態での術後の長時間安静が必要となることである。モノエタノールアミンオレイン酸塩を使用した胃静脈瘤に対するBRTOは、多施設前向き 臨床試験で有効性が示されているが、短絡路を永久塞栓物質で塞栓する方法については多施設多数例の報告はない。本研究では、胃静脈瘤を対象患者として、シャント路の塞栓として金属コイル(永久塞栓物質)にすることで、手技の安全性、実効性、治療効果を確認し、胃静脈瘤のより安全な治療法の確立を目的とし た多施設前向き臨床試験である。自施設で2020年8月6日に倫理審査委員会の承認を得て、国内の研究協力施設(5施設)と詳細なプロトコールの検討を2020年9月 9日に行った。その後、20例の集積を目標に症例集積を開始した。2022年度は、症例集積が6例(兵庫医科大学:1例、大阪公立大学:3例、奈良県立医科大学:2例)となり、2020-2021年度と合わせて総登録数は21症例となり集積予定症例数に到達した。手技は全例で成功(治療が完遂できた割合100%)し、現在すべての症例で1年間 の経過観察期間中である。現時点でフォローアップ期間中にGrade3以上の重篤な合併症は認めていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
多施設の協力のもと、症例集積に取り組んでいるものの、慢性肝疾患患者の減少とともに門脈圧亢進症として生じる胃静脈瘤の患者数は減少していることに加え、コロナ禍で症例の集積に難渋した。2020年度は症例集積が1施設(兵庫医科大学)で1症例のみであったが、2021年度は、症例集積が4施設で14症例の登録、2022年度は、症例集積が3施設で6症例の登録を得て、2022年度中に目標症例数(20例)を達成した。21例目の登録が2022年10月31日であり、1年間の経過観察期間が必要となるため、2023年末には試験が終了する見込みであり、引き続き、データ解析、画像の中央判定、論文作成の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究参加施設に働きかけを行い、症例集積に努めた結果、2022年度中に目標症例数に到達できた。症例集積がおよそ1年遅れとなったため、今後は、データ解析、中央判定、論文作成を適切かつ迅速に進める予定である。
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