研究課題/領域番号 |
20K08124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
高橋 美和子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主幹研究員 (00529183)
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研究分担者 |
湯本 真人 群馬パース大学, 附属研究所, 研究員 (30240170)
代田 悠一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60804143)
國井 尚人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80713940)
岩男 悠真 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 先進核医学基盤研究部, 研究員(非任) (40758330)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | てんかん / 脳糖代謝 / PET / FDG-PET / MRI / 脳磁図 / ベンゾジアゼピン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
てんかんは、多くの場合、薬の内服によって発作を抑えられますが、複数のお薬でも発作を抑えることが困難な患者さんが20%くらいいます。その場合、発作を発生させる脳領域が分かれば、脳外科治療によって発作を軽減、消失することができます。症状や、MRI、脳波、脳血流SPECT、脳糖代謝PETなどの所見で、原因となる脳領域を同定していきますが、MRIで全く異常が見当たらない場合は、外科治療が難しい事が多いのが現状です。しかし、そうであっても、脳磁図や脳糖代謝PETを詳細に分析し、発作の原因となりそうな領域を絞りこめれば、外科治療が有効な患者さんもおられます。私達は、この分析方法を確立することを目指します。
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研究成果の概要 |
難治性てんかんのうち、MRI上異常所見のないMRI-negativeてんかんは、焦点診断が難しく、外科治療後も発作消失率が約50%と十分ではない。繰り返されたてんかん発作により脳神経細胞の障害を来し、非発作時における糖代謝の低下を生じていると考えられ、FDG-PETにより検出が可能である。 そこで、難治性てんかんで外科治療後発作抑制を得た症例のうち、MRI上、海馬硬化所見をもつ症例、側頭葉に良性腫瘍がある症例と術前FDG-PETを比較した結果、MRI-negativeの症例は、脳糖代謝低下が海馬領域に限局しないことが分かった。一方、海馬領域に限局した場合は、外科治療後の発作予後が良好であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MRI-negativeの難治性てんかんでは、MRI上に典型所見を呈する場合とは病態が異なることが示唆された。側頭葉内に腫瘍があって、海馬領域に異常所見がない症例では、側頭葉内にてんかん原性があり、海馬は二次的なてんかん原性を獲得したと解釈され、このパターンにMRI-negativeの脳糖代謝低下パターンが近かった。MRI-negative例では、側頭葉てんかんであっても、てんかん原性を獲得するプロセスが異なり、同期した神経過活動の病態が海馬領域以外にあることが示唆された。また、形態上に異常がなくても糖代謝低下から外科治療の領域を同定することで、難治性てんかんの治療に役立つことが示唆された。
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