研究課題/領域番号 |
20K08126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
根本 未歩 (渡辺未歩) 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50568665)
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研究分担者 |
横田 元 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20649280)
宇野 隆 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30302540)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 子宮頸癌 / MRI / Radiomics / 小線源治療 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸癌に関して,Radiomicsの手法を用いた研究報告は発表され始めている.しかし, その多くは治療開始前の画像を用いている点でIGBTを最大限に活用するに至っていない.すなわち子宮は動く可能性があるため治療開始前とIGBT時で変形・位置移動が大きくIGBTで線量処方する際には有効に活用できない恐れがある.そこで,IGBT時に撮像した画像を解析の対象とする技術が可能となれば,IGBT計画に際してより正確な輪郭描出や本邦の現状に即した線量処方の最適化に役立つのではないか?という仮説を立てた.Radiomicsと子宮頸癌に対する3次元画像誘導小線源治療を統合することによる高精度 放射線治療法の確立が本研究の概要である.
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研究実績の概要 |
子宮頸癌に対する腔内照射時にアプリケータを挿入した状態でMRI,CTなどの3次元画像を撮像し治療計画に利用する3次元画像誘導小線源治療(3D Image-Guided Brachytherapy: 3D IGBT)が開発され、特にMRI based IGBTによる腫瘍制御率の更なる向上と正常組織障害の低減が認められている。申請者らは科研費を得て日本で初めて腔内照射時にがん病巣を明瞭に描出したMRI based IGBTに関する論文報告を行った。一方、近年Radiomicsという研究手法が注目され、これにも着手している。IGBT時に撮像したMRI画像や、治療開始時MRI画像から得られたRadiomics情報をIGBT時の画像とFusionする技術を研究・開発することにより“個別化”放射線治療法の確立を目指し、高い制御割合と正常組織への有害事象の低減を目指すための研究を行うことを目的とし、本年度はRadiomicsに適するIGBT時のMRI撮像条件の最適化に関して着手した。IGBT時には子宮・腟内へアプリケータ等が挿入されている。これらが画像・解析に与える影響についてほとんど先行研究がない。第1段階として後方視的に解析を行い、アプリケータ等が画像・解析に与える影響の有無を調査するために婦人科腫瘍医と協力し、コロナ禍にもかかわらず40例弱の子宮頸癌に対する放射線治療症例の蓄積を行った。これによりIGBT時画像に対するRadiomicsの手法を用いた治療成績の解析を行う。解析においては子宮頸癌に対するより良い治療を行うための個別化医療に関して新たな見解・手法の可能性を提案する。ただし、ROIの設定は作業量が膨大となり、ボトルネックとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍にもかかわらず40例弱の子宮頸癌に対する放射線治療症例の蓄積を行った。むしろ、一時期、症例が立て込みすぎたため、MRI撮像スケジュールが立てられず、MRI撮像が行えずCT based IGBTを行わざるを得ない症例が発生した点で、やや遅れていると評価した。これに対しては可能な範囲でスケジュールの重なりを避けるよう前もって調整を行うことで対応している。婦人科画像診断を専門としている当科放射科専門医,高田章代(医員)監修のもと、放射線部にも協力をいただき、3次元画像誘導小線源治療(3D Image-Guided Brachytherapy: 3D IGBT)時のMRIシーケンス調整を行った。ただし、ROIの設定は作業量が膨大となり、ボトルネックとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
ボトルネックとなっている作業負担への対策として、研究機関の延長を申請した。また、Radiomicsの手法は大量のデータを解析するためにデータサイエンス・コンピュータプログラミングに精通した専門家が必要であるため、同分野に精通し研究実績のある当科放射線診断専門医、横田元(講師)監修のもと、画像解析に着手する。その際に、MRI機種の変更、アプリケータ種類の影響について、慎重に検討を重ねる。腔内照射の際の線量パラメータ等と併せて、治療効果予測因子の探索を行う。さらに、その結果をValidate群に適応し、検証を行う。
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