研究課題/領域番号 |
20K08137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石川 剛 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20569305)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非代償性肝硬変 / IVR治療 / 再生療法 |
研究開始時の研究の概要 |
我々が開発した「非代償性肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法」を基盤とし、その治療効率を高めるべく種々の改良を重ねて基礎・臨床研究を進めてきた。 研究代表者は、大学院在籍中~米国留学中に幹細胞由来肝再生および細胞外基質制御機構に関する基礎研究に従事し、また帰学後の臨床研究において門脈圧亢進症に対するIVR治療が非代償性肝硬変患者にもたらす様々な有効性について報告してきた。 本研究では「バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術」の多種多様な効果に着目し、IVR治療と再生療法の融合による、肝再生促進・肝線維化抑制さらには生命予後延長を目指した、低侵襲かつ効率的な非代償性肝硬変に対する新規治療戦略を確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、胃静脈瘤の治療法として本邦で開発された「バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)」の多種多様な効果に着目し、interventional radiologyと再生療法の融合による、肝再生促進・肝線維化抑制さらには生命予後延長を目指した、当施設独自の低侵襲かつ効率的な「非代償性肝硬変に対する新規治療戦略」を確立することを目的とする。 当該年度の研究成果として、主に「計画2:BRTOが全身循環・臓器連関に及ぼす影響の解明」の詳細について以下に記す。 近年、肝臓と他臓器の密接な関連性(臓器連関)が注目され、特に門脈-大循環シャントを有する門脈圧亢進症例では、全身循環障害に伴う多臓器障害(腎機能障害・心肺機能障害)を合併し得る。BRTOによってシャント血流を遮断することで肝循環のみならず全身循環が是正されることが推測されるため、本研究ではBRTOによる全身循環および心肺機能や腎機能の変化について解析・検討した。 全身循環の指標とされる下大静脈径や脳性ナトリウム利尿ペプチド値はBRTOによって有意に低下し、全身循環亢進状態(hyperdynamic state)が是正されることが示唆された。心肺機能に関しては心拍出量および肺動脈圧の有意な低下が示された一方、腎機能に関しては仮説と異なり悪化傾向を示した(統計学的有意差なし)。今後さらなる症例数の増加により、統計学的に有意な結果が得られることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
[研究1]BRTOによる肝機能改善メカニズムの解明、[研究2]BRTOが全身循環・臓器連関に及ぼす影響の解明に関しては、予定より若干遅れたものの、想定通りの成果が得られたと自己評価する。 一方、非代償性肝硬変症に対する自己骨髄細胞投与療法(ABMi療法)の件数を年間3-5症例と見込んでいたが、新型コロナウイルス感染症流行の為、他県からの患者紹介が少なく、ABMi療法施行症例数が想定を大きく下回った。従って、[研究3]BRTOがABMi療法の治療効果に及ぼす影響の解明については、十分な研究成果が得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
[研究3]BRTOがABMi療法の治療効果に及ぼす影響の解明に関しては、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行するため、県内外の医療機関との連携を密にしてABMi療法の対象症例を確保することが先決である。その後は計画通りに、BRTO後6ヶ月間の経過観察ののちにABMi療法を施行(BRTO先行ABMi療法)して、血清学的・組織学的に治療前後の経時的変化(術後1・3・6ヶ月)を解析する。また既存治療症例・ABMi療法単独症例をコントロール群として統計学的に比較・検討する。
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