研究課題/領域番号 |
20K08144
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
斉藤 アンネ優子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30348916)
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研究分担者 |
大西 洋 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30213804)
野澤 桂子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 室長 (30469449)
染谷 正則 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60404711)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 全脳照射 / IMRT / アピランスケア / 脱毛 / 多施設共同研究 / 頭髪 / アピアランスケア / 脳転移 / 放射線治療 / 転移性脳腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
脳全体に放射線を照射する全脳照射は、転移性脳腫瘍の重要な治療法の1つである。一方、全脳照射は、副作用として照射された頭部の脱毛が必発であり、患者のQOL低下に直結している可能性がある。 放射線照射の進歩により、頭皮の被ばくを軽減した強度変調放射線治療(Scalp Sparing IMRT; SS-IMRT)が可能となってきている。この治療法の有用性を示し、また将来的に一般臨床として普及させるために、まずは従来の全脳照射による脱毛の程度や頻度、発生時期について多施設共同前向き観察研究を行い、その後SS-IMRTの多施設共同の介入試験を行い、成績を比較する事により、SS-IMRTの優越性を証明する。
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研究実績の概要 |
転移性脳腫瘍に対する標準的治療の1つは全脳照射であるが、副作用としてほとんどの症例で脱毛が認められるが、脱毛が生じる時期や割合、再発毛までの時期などの研究データは乏しい。これを解明し、さらに、強度変調放射線治療(IMRT)を利用した頭髪温存全脳照射と比較をするためのデータベースを作成するため、多施設共同の全脳照射の観察研究を行った。内容は、通常の全脳照射を行い、定期的な頭髪の撮影と、アンケートを取得した。 2022年度に関しては、この観察研究で、8週までのデータを取得できた症例が30例を超えたため、登録は2022/3/1で終了とした。登録症例数69例、8週までのデータのある症例が33例となった。 最後の登録症例が終了した段階(48週までの経過観察ができた場合で2024/1/31)で、解析を開始とするが、全脳照射の対象となるのは、全身状態の悪い多発脳転移の症例であり、長期の観察研究を待たずして、現病死すること症例が多く、解析開始は早まることが予想される。 次に行うIMRTによる多施設共同の頭髪温存照射は、IMRTという放射線の強度に強弱を付けて、腫瘍の近くに正常組織が隣接する場合でも、腫瘍への線量を集中させ、なおかつ正常組織への被ばくを抑える事が可能な治療法を用いて、全脳照射で頭髪を温存することを目的とした治療法である。 こちらに関しては、2022年12月に倫理委員会への申請を行い、2022/3/17に承認された。すぐに登録が開始となった。2022年3月末までの状態で、順天堂から1例の症例がすでに登録されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVIDのため、放射線治療の照射件数が少なくなり、症例の登録に苦心した。2022年になり、状況はやや改善し、観察研究の登録を終了することはできたが、当初の予定より大幅な遅れが見られている。
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今後の研究の推進方策 |
IMRTを用いた頭髪温存の全脳照射は倫理委員会の承認も降りた状態である。多施設の患者登録にかかっている研究であり、月に1回のzoom meetingでリマインドをかけて、早期の症例集積を狙う。
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