研究課題/領域番号 |
20K08157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 自治医科大学 (2021-2022) 岡山大学 (2020) |
研究代表者 |
嶋田 明 自治医科大学, 医学部, 教授 (70391836)
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研究分担者 |
林 泰秀 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (30238133)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | AMKL / drug repositioning / JAK/STAT阻害剤 / HSP90阻害剤 / SMAC mimetics / 薬剤耐性 / 非アポトーシス性細胞死 / 白血病幹細胞 / RBM15-MKL1キメラ遺伝子 / 急性巨核芽球性白血病 / 再発 / 次世代シーケンサー / 薬剤感受性 / 小児 / 分子標的薬 |
研究開始時の研究の概要 |
急性巨核芽球性白血病(Acute megakaryoblastic leukemia, AMKL, FAB分類 M7)は全AMLの1%とされるが、小児AMLでは約15%を占め、非ダウン症のAMKLはこれまで一般的に予後不良とされていたが、最近の研究ではキメラ遺伝子によって予後が異なることが明らかとなってきた。今回我々は初発と再発AMKLの遺伝子変化を次世代シーケンサーで解析し、再発に伴うクローン進化を明らかとする。また新規薬剤を含む各種薬剤感受性について検討することで、予後不良なAMKLに対する臨床応用にむけた新規分子標的薬探索を行う予定である。
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研究実績の概要 |
非ダウン症(non-DS)の急性巨核芽球性白血病(AMKL)は他の急性骨髄性白血病(AML)と比較しても予後不良である。nonDS-AMKLはキメラ遺伝子により予後に違いがみられるが、各キメラ遺伝子特有の阻害剤の開発までには至っていない。このため通常の抗がん剤以外の新規薬剤の探索を行った。AMKL細胞株を6株(CMK, CMY, UT7, Mo7e, MKPL-1, MoLM16)購入し、Janus kinase(JAK)には、JAK1/JAK2/JAk3/Tyk2の4種類があり、JAK阻害剤については4種類[Tofatinib(JAK2/3阻害)、Ruxolitinib(JAK1/2阻害), AZD1480(JAK2阻害), Peficitinib(JAK1/2/3/TYK2阻害]の検討を行い、その有効性をMTTアッセイ、アポトーシスアッセイで確認した。細胞株によりその有効性に違いがみられた。UT7、Mo7eはサイトカイン添加の有無でJAK阻害剤の有効性に違いがみられた。その選択性より特にJAK2阻害が有効であるものと考えられた。現在通常の抗がん剤であるcytarabineとの相乗効果がないかどうかについて検討を行っている。UT7はcytarabineに耐性ではあったが、細胞株購入元のDSMZ cell driveの発現データより、他のAMKLよりJAK2高発現であり、JAK阻害剤の有効性が認められた。経口のJAK阻害剤はリウマチ領域で国内でも多くが承認されており、臨床応用も目指せるものと考えている。 またHSP90阻害剤(TAS-116)についても検討を行い、その有効性を確認しており、さらにcytarabineとの相乗効果がないかどうかの検討を行っている。 SMAC mimeticsに関してはBV6とXevinapantについて検討したが、有効性は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究期間内に異動があり、アッセイ系の確立に時間を要したため、1年間の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っているnonDS-AMKLに対するJAK阻害剤と、HSP90阻害剤のシグナル伝達系の解析なども進めて、学会発表、論文化する。また細胞株購入元の細胞バンクであるDSMZ cell driveでのJAK1/2/3/TYK2などの発現データを参考にしながら実験を進めているが、AMKLがAMLより明らかに高発現しているKITやGATA1/2などについても今後検討を行っていく予定である。
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