研究課題/領域番号 |
20K08166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
神保 恵理子 (藤田恵理子) 自治医科大学, 医学部, 講師 (20291651)
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研究分担者 |
桃井 隆 東京医科大学, 医学部, 客員教授 (40143507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | GPCR / 自閉症スペクトラム障害 / シグナル伝達 / Autism / Neuron |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害の患者数は増加の一途を辿っている。原因として複数のシナプス関連遺伝子が報告され、シナプス機能不全の可能性が示唆される。しかし、複数の原因遺伝子やこれらの遺伝子をコードする蛋白質と、分子病態との関係は、依然として明らかでない。本研究では、シナプス機能の形成に関わる蛋白質複合体を構成するGPCRであるGPR85に焦点を当て、GPR85のキメラ遺伝子、GPR85欠損、変異導入マウスの細胞を用いて、GPR85変異がシグナル伝達機構に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会的相互作用とコミュニケーションの欠如、常同行動という 2 つの中核的症状に基づいている。現在に至るまで、複数の原因遺伝子が報告され、その中にはシナプス関連遺伝子群の変異によるシナプス機能不全との関わりが示唆されている。一方、G タンパク質共役受容体(GPCR)は、細胞外の刺激により活性化され、細胞内へシグナルを伝達し、細胞応答へと繋ぐ。、ASDを含む神経発達精神障害に関連するGPCRが存在し、我々がASD患者から変異を見つけたGPR85は、脳内で発現し、神経細胞のシグナル伝達に重要な役割を果たしていると考えられる。本研究では、GPR85に焦点を当て、GPR85遺伝子改変マウス(GPR85欠損、変異M125T導入マウス)の細胞に導入し、シグナル伝達機構、変異による影響を明らかにすることを目的としている。 昨年度に引き続き、正常GPR85-細胞外側チャネルロドプシン2のキメラAAVベクタープラスミドを導入したマウスの脳で、コントロールと比較して光感受性による活性化によって発現変動し、選び出した7種類の遺伝子について抗体を用いた免疫染色やウエスタンブロッティングによるタンパク質の解析を行った。その中から数種類の遺伝子についてタンパク質変動の確認ができた。また、リガンド結合部位をGPR37と入れ替えたGPR85キメラAAVベクターを導入した初代培養神経細胞について解析したところ、ERKのリン酸化に差が見られた。マウス脳についてはベクターの量と質を確保して今後に導入する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
市販品で実験に対応できる抗体が存在しない、そのために抗体作製に時間がかかっている。また、GPR37と入れ替えたGPR85キメラAAVベクタープラスミドの作製したAAVベクターの質と濃度が十分でなく、個体への再導入を行う必要があることから。
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今後の研究の推進方策 |
・高タイターのリガンド結合部位をGPR37と入れ替えたGPR85キメラAAVベクターをベクターを調整し、GPR85欠損マウスおよびマウス胎児由来の初代神経細胞に再導入する。 ・キメラGPR85-GPR37-AAVのベクターの光応答により変動する遺伝子と受容体の局在の解析として、野生型とGPR85欠損ホモ型マウスの脳にキメラGPR85-GPR37を導入・発現させ、光応答により変動する遺伝子発現、タンパク質発現と発現領域の解析を行う。 ・キメラGPR85およびキメラGPR85-GPR37を発現した神経細胞および脳領域について、シグナル伝達経路の変動について解析を行う。
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