研究課題/領域番号 |
20K08177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
犬塚 亮 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00597560)
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研究分担者 |
松井 彦郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40796819)
中釜 悠 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任講師 (60846880)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 小児期発症重症心筋症 / 次世代シーケンサー / 疾患モデル動物 / 小児心筋症 / Noonan関連心筋症 / モデル動物 / 心筋症関連遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
小児期発症の重症心筋症は、成人期発症の心筋症と分子生物学的に異なった特徴を持つ予後不良の疾患である。本研究では、mutation(genotype)-specificな分子標的治療を念頭に置き、①高密オリゴヌクレオチドアレイと次世代シークエンサーを駆使した患者のパーソナルゲノムの網羅的遺伝子解析を行うことで、小児期発症重症心筋症の関連遺伝子(変異)を明らかにし、②疾患モデル動物を用いて、小児期発症重症心筋症の患者の関連遺伝子(変異)の機能を調べることで、心筋症の新たな分子メカニズムを解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
①高密度オリゴヌクレオチドアレイと次世代シーケンサーを用いた小児期発症心筋症のゲノム異常の網羅的探索および変異データベースの構築:11家系12症例(DCM 5例、HCM 3例、RCM 1例、LVNC 2例)において検査を施行し、7例(58%、うち2例は新規変異)で責任遺伝子(サルコメア関連(MYH7、MYL2、MYBPC3、TNNT2、TTN)、カルシウム代謝(PLN)、RAS/MAPK経路(PTPN11))を同定した。このほかにLVNC症例でVariant of unknown significance(VUS)だが病原性の疑われるTBX20変異を認めた。 ②LZTR1機能解析: LZTR1の分子間相互作用の解析のため、培養細胞でのタグ付きLZTR1過剰発現系を用いてプルダウンアッセイを行った。二次元電気泳動の結果から、空ベクターと過剰発現ベクターとで、異なるスポットが何点か認められ、質量分析法による蛋白同定を試みたが、LZTR1の機能発現への関与が疑われる蛋白は同定されなかった。 次に、ハイスループット解析のためのツールとして、LZTR1異常を含むRASopathy心筋症について2系統の新規細胞モデルを構築すべく、予備的検討と条件確定を行った。 具体的には、標的遺伝子の破壊のためのgRNA配列を、オフターゲットリスクの少ない上位3パターンから選び、複数のターゲッティングベクターを構築した。エレクトロポレーションの条件を最適化し、破壊効率の最も高いターゲッティングベクターを用いた本実験へと進んだ。限界希釈によるシングルセル化後、培養、コロニー化を行い、現在、目的変異導入コロニーを選別している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症などの影響で、診療体制の大幅な変更があったため、小児心臓移植の患者数減少により、新規重症患者の受け入れが難しく、遺伝子データベース構築のための患者のリクルートが遅延していた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、患者数が回復傾向であるため、データベース構築を進めているところである。
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