研究課題/領域番号 |
20K08179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大河原 剛 三重大学, 医学系研究科, 講師 (20469034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 乳幼児突然死症候群 / ケモカイン / セロトニン神経系 / 胎生期のウイルス感染 / 原因遺伝子 / 発症機序の解明 / 妊娠中のウイルス感染 / モデル動物 / 胎生期ウイルス感染 |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、本邦における乳児死亡原因の第3位であり、睡眠中に無呼吸状態に陥り覚醒できず死亡する疾患である。無呼吸からの覚醒を支配するセロトニン神経系の発生異常が指摘され、直前の細菌感染が引き金となり起こると考えられているが、詳細な発症メカニズムは不明である。申請者は、妊娠ラットに疑似ウイルス感染を行うことで胎仔脳のセロトニン神経系に異常を起こし、さらに産まれた仔ラットに疑似細菌感染をさせることでSIDSの症状と似た表現型をもつモデルラットを開発した。本研究では、このSIDSモデルラットの脳を詳細に解析することで、現在まで未知であるSIDSの発症メカニズムを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、これまで元気にしていた児が睡眠中に突然無呼吸に陥り、覚醒できずに亡くなる疾患で、その発症機序は不明である。私は、SIDSで亡くなった児の脳幹のセロトニン神経系に異常が見られたこと、SIDSで亡くなる前、児の85%以上に軽度の感染症状があったことを動物モデルで再現することで、SIDSモデルラットを作成した。私が作成したSIDSモデルラットは、疑似細菌感染24時間後の死亡率の増加が見られ、橋・延髄の遺伝子発現にも異常がある。また、リアルタイムPCRにより解析した結果、SIDSモデルラットの橋・延髄で7つのケモカインの発現量が増加していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、元気にしていた児が睡眠中に突然無呼吸に陥り、覚醒できずに亡くなる疾患で、2021年の乳児死亡原因の第3位である。これまで多くのSIDSモデル動物が作成されたが、未だ発症機序の解明には至っていない。私が作成したSIDSモデルラットは、SIDSで亡くなった児に見られた異常(セロトニン神経系の異常、軽微な感染症状)を再現したもので、疑似細菌感染24時間後の死亡率が増加するという表現型を示す。これらのことから、当モデルラットを解析することで、SIDSの発症機序の解明が期待できる。また発症機序の解明により、予防やリスクの高い児の同定が可能になるため社会的な意義も高い。
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