研究課題
基盤研究(C)
我々は、小児のコホート集団を対象として視空間注意を惹起するタスクについて、アイトラッカー(視線追跡装置)を用いて行動学的指標の収集を継続している。本研究では、その蓄積されたデータを縦断的に解析することで視空間注意の発達の軌跡を描出し、子どもの認知行動のみならず、注意欠如・多動性障害などの発達障害についても、その神経基盤を明らかにする。さらに8歳ではアイトラッカーと近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)の同時計測を実施することにより、子どもの学習法について脳科学的な裏付けを与える。
成人に比べて小児の視空間注意機構の神経基盤は不明の点が多く、これを解明することは、注意の持続困難を呈する児に限らずどの子どもにとっても、学習面など様々な生活場面でどのように対処したらよいかについて示唆を与えると考えられる。我々は、200人以上のコホート集団を対象として視空間注意を惹起する課題について、2・4・6歳時と縦断的に、アイトラッカー(視線追跡装置)を用いてデータ収集を継続している。本研究の主な目的は、その蓄積されたデータを縦断的に解析することで視空間注意の発達の軌跡を描出し、子どもの認知行動との関連を明らかにすることである。さらに8歳ではアイトラッカーと近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)の同時計測を実施して脳科学的な裏付けを与える計画であったが、NIRS計測はプローブ設置が必要で参加者と接触する必要があるため実施しないことを決定していた。令和3年度から、以前からの課題および線2分法・利き手の調査など認知面を評価する様々な検査に加えて、8歳のための新しい課題を追加して、このコホート集団に対して行っていた。新型コロナウイルス感染症の影響は検査実施を困難にしていたが、計104人の8歳の子どもに特にトラブルなく実施することができた。令和4年度も、8歳の子ども計59人に実施することができ、2年間で計163人を完遂した。また本課題の範囲外ではあるが、コホート集団での実施がもともと計画されていたタブレット端末による認知機能テストのデータも収集できた。
4: 遅れている
8歳時のデータ取得は比較的順調に行われたが、新型コロナウイルス感染症の影響がいまだに残存しており、検査への参加を辞退される参加者が生じたため、予定よりも少ない人数となった。
8歳のデータ収集が終了したため、解析を本格的に開始する予定である。また参加者は10歳となるため、年齢や状況に応じた課題を実施する予定である。
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