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iPS技術を利用した心筋症の遺伝子型-表現型相関を決定する分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08193
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

古道 一樹  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10338105)

研究分担者 芝田 晋介  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問教授 (70407089)
湯浅 慎介  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90398628)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード心臓発生 / 胎児心筋細胞 / iPS細胞 / 左室心筋緻密化障害 / 低酸素 / サルコメア / 心筋症 / 心筋発生 / 心臓前駆細胞 / ゲノム編集
研究開始時の研究の概要

拡張型心筋症、肥大型心筋症、および左室心筋緻密化障害は小児によく認められる心筋症であり、不整脈や心不全の原因となるが、根治療法は存在しない。新たな治療戦略の開発に、病態形成に関連する心筋発生学的な知見は必要不可欠である。しかし、ヒト遺伝子型-表現型の相関性を完全に説明できるモデルはいまだ存在しない。この課題を克服するために、同一の遺伝子背景を有し、心筋症特異的遺伝子変異のみが遺伝情報として異なる心筋症特異的isogenic-iPS細胞株を樹立する。各細胞株を心筋に分化する過程において、心筋発生・成熟各段階のシグナルに注目し、心筋症の遺伝子型-表現型相関を制御するメカニズムの同定を目指す。

研究成果の概要

今回我々は、サルコメア構造タンパクをコードするMYH7遺伝子に、肥大型、拡張型および左室心筋緻密化障害(LVNC)の各心筋症を引き起こす変異を導入したiPS細胞株を作製し、表現型の差異が生じるメカニズムの解明を目指した。LVNC特異的な変異を導入したiPS細胞由来心筋細胞(LVNC iPS-CM)は、サルコメア構造が断裂し、さらに細胞増殖能の亢進が見られた。網羅的遺伝子発現解析で、LVNC iPS-CMでは、コントロール心筋細胞に比してHIF1A関連シグナルの活性化が見られ、低酸素環境における胎児心筋細胞の増殖能亢進を模倣した細胞内遺伝子制御パターンが病態を反映する可能性が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

先行研究で、低酸素環境における心筋細胞増殖能および心室の肉柱形成亢進について動物実験における報告が少数認められていたが、ヒトにおいて実証されたことは無かった。本研究で、胎児心筋の低酸素環境下ではMYH7の発現が亢進するが、MYH7変異により心筋繊維構築が障害された場合、心筋細胞内でHIF1A活性化を介して低酸素環境を模倣することにより、MYH7発現を強制的に増加させようとする代償機構が働く可能性、さらに低酸素環境を模倣した遺伝子発現パターンが心筋細胞の成熟を障害し、心筋緻密層の形成が破綻する可能性が示された。ヒト心筋成熟の障害機序の一端を解明することで、心筋症の治療開発の一助となる知見を得た。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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