研究課題/領域番号 |
20K08195
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
鐘ケ江 裕美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80251453)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ゲノム編集 / アデノウイルスベクター / Sly病 / ムコ多糖症VII型 / GUSB遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム編集による遺伝子治療は、究極の遺伝子治療法として期待されているが、危惧されているoff targetだけでなく、低いゲノム編集効率により充分な治療効果が得られない問題も指摘されている。本研究では、体細胞のほとんどを占める静止期細胞で効率の悪い相同組換えに依存しないゲノム編集機序に立脚したHITI法、PITCh法を遺伝子導入効率の高いアデノウイルスベクターを用いて試みる。ムコ多糖症のSly病などに対するin vivoゲノム編集治療法開発とともに、造血幹細胞への治療用遺伝子高度発現単位挿入法としての開発も進め、安全性の高いex vivo遺伝子治療法の開発へと繋げていく。
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研究成果の概要 |
本研究は、静止期細胞で効率の悪い相同組換えに依存しないゲノム修復法であるHITI法とPITCh法についてアデノウイルスベクター(AdV)を用いて試みることが目的である。まず安全性を高めるために「細胞特異的高度短期間Cas9発現システム」を構築した。また、Sly病モデルマウスGUSB遺伝子のゲノム編集が可能であることを示した。ついで、AAVS1領域などに安全にGUSB遺伝子発現単位を挿入する系についても検討し、HR法はPITCh法よりも2倍、HITI法よりも17倍効率的に挿入可能であることを示した。本研究成果は遺伝病へのゲノム編集治療法の改良に有用であると考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、従来のゲノム編集治療法で問題であった修復効率を上昇するためのHITI法やPITCh法によるゲノム修復が増殖期の細胞ではHR法よりは劣っていたものの可能であることを明らかにした。今後はiPS細胞から誘導する肝臓細胞を用いて体細胞の殆どをしめる静止期細胞での修復効率について検討を進めていく。また、レンチウイルスベクターには劣るものの、AdVを用いてAAVS1などのセーフ・ハーバー領域にCAGプロモーターなど強力なプロモーターを用いて治療用遺伝子を高効率に導入可能であったことから、今後のex vivo遺伝子治療の安全性の向上に寄与できる結果が得られたと考える。
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