研究課題/領域番号 |
20K08196
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
宮原 弘明 愛知医科大学, 加齢医科学研究所, 准教授 (00457615)
|
研究分担者 |
吉田 眞理 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 特命研究教授 (60288545)
岩崎 靖 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 教授 (60378172)
井原 健二 大分大学, 医学部, 教授 (80294932)
井上 真紀 大分大学, 医学部, 講師 (20726913)
関口 和人 大分大学, 医学部, 講師 (40437926)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ミトコンドリア病 / ヘテロプラスミー / 脳卒中様エピソード / ミトコンドリア / MELAS / 遺伝子変異率 |
研究開始時の研究の概要 |
MELASは脳卒中様発作を反復し脳の機能が損なわれていくミトコンドリア脳症である。申請者は脳細胞内の異常ミトコンドリアの割合が増加することで脳卒中様発作の発生リスクが高まると仮説を立て、本研究を立案した。今回はA3243G変異を有するMELAS8例を対象として、脳の部位ごとの①脳卒中様発作の出現割合、②異常ミトコンドリアの割合、③電子伝達系の障害程度、④ミトコンドリア病で近年注目されているバイオマーカー(FGF21やGDF15)の発現、を検討し、脳卒中様発作の発生に関与する因子の特定を目指す。
|
研究実績の概要 |
卒中様発作と乳酸アシドーシスを伴うミトコンドリア脳症(MELAS)は脳卒中様発作を反復し脳の機能が損なわれていくミトコンドリア脳症である。MELASはミトコンドリアDNAの点変異(m.3243A>Gが最多)が原因であり母系遺伝の形式をとることが多い。患児の細胞の中は正常と異常なミトコンドリアが混在する“ヘテロプラスミー”という状態であり、異常ミトコンドリアの割合が増すことによって電子伝達系の働きが障害され、ATP産生がうまくいかず、ミトコンドリアからのエネルギ―供給に依存する臓器(脳・筋肉・心臓)が障害される病態が推測されている。 申請者は脳細胞内の異常ミトコンドリアの割合が増加することで脳卒中様発作の発生リスクが高まると仮説を立て、脳の各部位における遺伝子変異率や電子伝達系を評価することで、脳卒中様発作の発生メカニズムの解明を目指している。 具体的にはm.3243A>G変異を有するMELAS8例と疾患対照3例の解剖例のパラフィン包埋標本と凍結サンプル(脳・脊髄・骨格筋・心筋)を用いて、脳の部位ごとの①脳卒中様発作の 病理学的な出現頻度、②ミトコンドリア遺伝子変異率、③ガスクロマトグラフィー質量分析を用いたメタボローム解析、④タンパク電気泳動を用いた電子伝達系のサブユニットの解析、⑤タンパク電気泳動を用いたミトコンドリア病関連バイオマーカー(FGF21やGDF15)の解析、を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記に示した本研究に必要と思われる実験はほぼ完了し、m.3243A>Gを有するミトコンドリア病に特徴的と考えられる分子病理学的所見を見出した。それらの結果はBrain Pathology誌に投稿し審査を受けている段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究結果は2023年7月に開催される日本神経病理学会で発表予定である。研究の当初の計画以上に進展しており、期間内に目標に到達できると推察される。今後は脳卒中様エピソードのある部位とない部位の遺伝子変異率・電子伝達系・代謝産物の差異を検討し、脳卒中様エピソードの発生に関わる因子を検討する予定である。
|