研究課題/領域番号 |
20K08201
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
土岐 力 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50195731)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 小児白血病 / ダウン症 / RUNX1 / GATA1 / 白血病 / 急性巨核芽球性白血病 / ダウン症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
ダウン症では, 新生児の5~10%がTAMという前白血病を発症し, その約20%はML-DSへ進展する。この特異な経過は白血病発症のメカニズムを解明する上で重要である。我々は, TAMとML-DSのエクソームおよびターゲットシーケンス解析を行い, TAMはトリソミー21と転写因子GATA1変異により生じ, ML-DSはこれにコヒーシンなど含む遺伝子変異が加わることを明らかにした。さらに,最近我々は ML-DS の20%ほどでRUNX1-PTDが認められることを発見した。本研究では, ML-DSで見つかった転写因子RUNX1変異体の白血病発症に関わる機能を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
トリソミー21が原因であるダウン症では, 新生児の5~10%で一過性骨髄異常増殖症 (TAM) という前白血病を発症する。その多くは自然寛解するが, 約20%は4年以内に急性骨髄急性白血病 (ML-DS) へと進展する。このML-DSへの進展に際して, RUNX1の部分的タンデム重複変異 (RUNX1-PTD) が約20%の症例でみとめられた。本研究では,この新規変異の分子生物学的機能を検索した。その結果, 野生型分子と比較して, 転写活性化能と細胞内局在に異常が見られた。ノックインマウスを用いた検索では, 既報のRUNX1変異とは異なり, 早期に白血病発症を引き起こすことを確認した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白血病の発症機構を探索する際, 発症以前の状態を観察することは疾患特性から困難を要する。しかしML-DSの場合, ダウン症を背景にTAMからML-DSへの進展は, トリソミー21とGATA1変異に加えて, 本研究で焦点を当てた RUNX1-PTD 変異などの付加が原因になっていることを示した。この様な発見は, 白血病の多段階発症のメカニズムを明らかにする上で, 非常に重要である。加えて, RUNX-PTD 変異は, 他の RUNX1遺伝子変異と異なり, 極めて早期に白血病を引き起こすことを発見した。この知見はCBF-AMLの発症機構の解明にも資するものである。
|