研究課題/領域番号 |
20K08205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
江藤 みちる (伊田みちる) 三重大学, 医学系研究科, 講師 (80393148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自閉症 / ラット / サリドマイド / 嗅覚 / 嗅内皮質 / 孤束核 / 抑制性ニューロン / 梨状皮質 / 扁桃体 / 解剖学 / 脳神経 / 発達 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症では感覚過敏をしばしば併発し、その症状は聴覚・光(視覚)・嗅覚・味覚・触覚と多岐にわたり患児のQOLの低下を引き起こす。これまで行ってきた聴覚過敏の研究で得られた知見をもとに、本研究では自閉症モデルラットを用いて嗅覚過敏のメカニズムを明らかにすることを目的とする。具体的には、成獣・新生仔期・幼若期の自閉症モデルラットについて以下の解析を行う。 1、嗅覚中枢神経系の形態学的解析 2、嗅覚刺激に対する嗅覚神経系の生理的・形態学的解析 3、嗅覚神経系と味覚神経系の相互作用解析 本研究を行うことでヒト自閉症における嗅覚過敏の病態解明と自閉症児のQOL向上を目指す。
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研究成果の概要 |
自閉症は、コミュニケーション障害・社会性の障害・常同行動といった中核症状のほかに、感覚過敏など感覚処理の問題がしばしば合併する。本研究では、ヒト自閉症における嗅覚過敏の病態解明と自閉症児のQOL向上を目指し、自閉症モデルラットを用いて嗅覚刺激に対する嗅覚神経系の生理学的・形態学的解析を行った。 新生仔ラットにおける嗅覚系行動実験(Nest-seeking test)を行い、自閉症モデルラットでは嗅覚に対する感受性が高いことが示された。成獣ラットでは4種類の匂い物質のうち、1,8-シネオールに対して自閉症モデルラットの後梨状皮質におけるc-fos陽性細胞の増加が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、自閉症の患者数は増加の一途をたどっている。社会性行動など中心的な病態の解析は進んでいるが、感覚の問題は見過ごされており、患児のQOLの低下を引き起こしている。特に嗅覚は危険に対する認識や食事の好き嫌いなど多岐にわたる機能を担っており、自閉症児において大きな問題となる。本研究結果から、成獣ラットでは匂い物質に対する変化は見られなかった一方で新生仔ラットでは自閉症モデルで感受性が高いことが示された。ヒト自閉症における感覚の問題は年齢によって変化が現れることがあり、本モデル動物では時期特異的に嗅覚過敏を呈するものであると結論づけられる。
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