研究課題/領域番号 |
20K08206
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川崎 ゆり 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (70507079)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | SAMD9 / MIRAGE症候群 / iPS細胞 / MIRAGE / 造血異常 / 易感染性 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性疾患であるMIRAGE(ミラージュ)症候群は、SAMD9遺伝子の変異が原因であることは知られているものの、これ以外はほとんど解明されていないのが現状である。MIRAGE症候群には特徴的な6つの症状があり、それらは、先天性副腎低形成症、造血異常、易感染性、成長障害、性腺症状、消化器症状である。これらの中でも感染症を引き起こし易くなる易感染性をコントロールすることは、重症化や合併症を防ぎ、治療を円滑に進める上で重要である。また感染を防御する免疫細胞は血液に含まれため、「造血異常」と「易感染性」を関連付け、疾患特異的iPS細胞を駆使して研究を行う。
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研究成果の概要 |
細胞増殖をSAMD9遺伝子の正常型と変異型で比較を行った。その結果、iPS細胞では正常型と変異型で有意差はなかった。しかし、iPS-ML細胞になると増殖は、正常型>ヘテロ接合体>変異型ホモ接合体 の順で抑制された。これは、MIRAGE症候群の造血異常は、分化した段階で増殖が抑制されることを示唆するものである。 iPS-MP細胞をサイトカインの誘導因子で刺激し、サイトカイン濃度を測定した。その結果、健常人由来iPS-MP細胞とは異なり高値を示すサイトカインが、疾患特異的iPS-MP細胞で検出された。この高値を示したサイトカインの異常な産生は、SAMD9遺伝子変異が原因であることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
iPS細胞を応用し発展させた細胞に単球系の細胞株であるiPS-ML細胞と、マクロファージ様の細胞であるiPS-MP細胞がある。これらの細胞は遺伝子変異が原因で発症する患者から作製することができ、細胞レベルでの病態再現に役立つ。今回、これらの細胞をMIRAGE症候群の研究に適用し新たな知見を得た。MIRAGE症候群の患者は症状の重い小児であるため、患者から研究のために十分な量の血液を採取することは非常に困難である。また、治療の影響を受けている患者の血液細胞を用いた研究とは違い、治療の影響や患者の体内環境の影響を除外できるiPS-ML細胞およびiPS-MP細胞の研究への応用は非常に有用であった。
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